展覧会レポート
2020.3.24
国宝・百済観音 東京に23年ぶりのお出まし!
文化財を保護し継承する大切さを伝える展覧会
東京国立博物館で「特別展 法隆寺金堂壁画と百済観音」が、開催されます!
※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、本展覧会は【開催中止】となりました。前売券の払い戻し等についての詳しい情報は、展覧会公式サイトをご確認ください。
世界最古の木造建築として知られる法隆寺金堂には、およそ1300年前の飛鳥時代に描かれた壁画がありましたが、昭和24年(1949)の火災により、その大半が焼損しました。しかし、その前に描かれた数々の模写などが残されていたおかげで、今でも失われた壁画をうかがい知ることができます。
本展では、法隆寺金堂壁画の優れた模写や、焼損後に再現された現在の壁画、日本の古代彫刻の最高傑作の一つである国宝・百済観音など、金堂ゆかりの仏像などが紹介されます。
再現された法隆寺金堂壁画
「法隆寺金堂壁画」は、釈迦浄土図(しゃかじょうどず)や阿弥陀浄土図(あみだじょうどず)など、仏の群像を描いた大壁4面と、諸菩薩を単独で描いた小壁8面の計12面からなる巨大な壁面群です。
(左から)法隆寺金堂壁画(模写) 第六号壁 阿弥陀浄土図(入江波光、入江酉一郎、吉田友一、川面稜一、林司馬、多田敬一模) /法隆寺金堂壁画(模写) 第八号壁 文殊菩薩蔵(吉田義夫、吉田友一、林司馬、川面稜一、近藤千尋模) いずれも、昭和15〜26年 奈良・法隆寺蔵
ここでは、焼損前に描かれた模写のうち特に優れたものや、その後に再現された現在の壁画などが紹介されています。高さ3.1メートル、幅は約2.6メートルの大壁は、近くで見ると迫力があります!
国宝・百済観音、23年ぶりに東京へ!
国宝 観音菩薩立像(百済観音)飛鳥時代・7世紀 奈良・法隆寺蔵
飛鳥時代を代表する仏像で、「百済観音(くだらかんのん)」の名前で親しまれている国宝「観音菩薩立像(かんのんぼさつりゅうぞう)」。高さ約210センチですらりとしたばつぐんのスタイルと、柔らかなお顔が生み出す美しさは、多くの人びとをとりこにしています。
1997年に、フランスのルーブル美術館で公開以降、法隆寺から外に出ることがなかった国宝・百済観音が、今回23年ぶりに東京で公開されます!お見逃しなく。
藝大が制作した「スーパークローン文化財」とは!?
門外不出の法隆寺金堂本尊である釈迦三尊像(しゃかさんぞんぞう)が、なぜかトーハクの展示室に・・・?こちらは、東京藝術大学が制作した「スーパークローン文化財」と呼ばれる高精度なレプリカです。
スーパークローン文化財は、こちらは撮影OK!細かなところまで再現された釈迦三尊像をぜひ間近で見てみてください。
特別出品 法隆寺 釈迦三尊蔵(スーパークローン文化財)東京芸術大学COI拠点制作 平成29年(2017) 東京芸術大学COI拠点蔵
法隆寺金堂の美しい世界を体感しつつ、文化財の保護・継承をすることの大切さを再認識できる展示でした。
information
会場名:東京国立博物館 本館 特別4室・特別5室
展覧会名:特別展「法隆寺金堂壁画と百済観音」
展覧会詳細ページ:https://obikake.com/exhibition/5306/
公式サイト:https://horyujikondo2020.jp/
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Editor | 静居 絵里菜
【編集後記】東京で23年ぶりに公開された国宝・観音菩薩立像(百済観音)。その大きさには圧倒されます!