展覧会レポート
2020.6.29
90年代以降の写真とファッションがテーマ
希少なファッション誌の展示も満載!
東京都写真美術館にて「写真とファッション」が開催中です。
展示風景
時代とともに移り変わり、人々を魅了するファッション。
その発展には、写真の存在がありました。
写真は、衣服が持つ魅力を伝えるだけでなく、ときには人々の考え方やライフスタイルにまで影響を与えてきました。
本展は、1990年代以降の「写真とファッション」をテーマに、時代を象徴するようなファッション誌の展示や、ファッションカルチャーに影響を与えた写真家の作品などを紹介します。
既存の「美」への反逆精神を表現したスナップ
展示風景より、アンダース・エドストローム
こちらはスウェーデンの写真家、アンダース・エドストロームの作品。
90年代台頭したファッションデザイナー、マルタン・マルジェラは、若く細身の女性、着飾った女性などが「美しい」とされる既存の概念を打ち破ります。
マルジェラの見出した「美」は、年齢にとらわれず、リアルライフを生きる女性、仕事に打ち込む女性、そして古着などでした。
この新しい「美」と、マルジェラが持つモード界への反逆精神を、アンダースは白黒の身軽なスナップショットで表現しました。
90年代を代表する女性のための雑誌
展示風景より、高橋恭司
こちらの作品は、女性向けファッション誌『CUTiE』の巻頭特集で撮影されたものです。
かわいらしい服とリーゼントヘアをミックスさせた女性の、凛とした表情が特徴的です。
本誌は、「男の子に可愛く見られるためにおしゃれをするのではなく、自分が楽しくなるために服を着る」をコンセプトに、10代女性から人気を博しました。
現代のファッションが語りかけること
展示風景より、PUGMENT×ホンマタカシ
こちらはホンマタカシとファッションブランド「PUGMENT」とのコラボ作品です。
一見、20代くらいの男女のストリート・スナップのように見えますが、全員共通してミリタリーウェアを身に着けています。
軍服として生まれたミリタリーウェアは、現在ではカジュアルな服として親しまれていますが、本シリーズでは、本来の軍服としての役割についてものぞかせています。
実はこの作品が撮影されたのは沖縄。
米軍基地が点在する沖縄でミリタリーウェアを着ること。衣服の意味や価値が、時代とともに変化していく「服」の特性が表れています。
PUGMENTの展示は、マネキンを使ったユニークなものも必見です!
展示風景より、PUGMENT
私たちの生活とは切っても切り離せない「ファッション」。
服と着ることとはなにか? 改めて考えるきっかけになる展覧会です。
Information
展覧会名:写真とファッション 90年代以降の関係性を探る
会場:東京都写真美術館(恵比寿ガーデンプレイス内)
会期:2020.06.02〜2020.07.19
公式サイト:https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-3451.html
※新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、入場制限などを実施します。
ご来館のお客様は、必ずこちらをご確認ください。
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Editor | 三輪 穂乃香
【編集後記】久しぶりのTOPにテンションが上がりまくり!
90年代以降がテーマということで、なかなかエモいです(笑)