ミュージアムさんぽ

おびかけ編集部がゆく!
ミュージアムさんぽ【第9歩】/ホキ美術館

2020.11.1

「おびかけ編集部がゆく!ミュージアムさんぽ」とは

企画展だけではない、ミュージアムの魅力について、編集部がたっぷり取材します!

 

今回は千葉県にある、ホキ美術館へ! 写実絵画を専門にコレクションする、世界でも珍しい美術館です。

開館の経緯やスタイリッシュな展示室、一番人気の作品など、おびかけ編集部がたっぷりお伺いします♪

 

ホキ美術館/常設展紹介/OBIKAKE

 

 

ホキ美術館ってどんなところ?

 

設立者である保木将夫さんは、海外などでさまざまな絵画を購入していましたが、1997年頃、写実絵画を描く森本草介の絵と出会ったことをきっかけに、写実絵画のみを集めるようになりました。

収集した作品は、隣家を展示場と収蔵庫にし、はじめは年に2回近所の方にお披露目していたものが、どんどん観にくる方が増え、美術館設立が決まったそうです。

 

ホキ美術館/常設展紹介/OBIKAKE

 

そして2010年11月に、日本初の写実絵画専門美術館・ホキ美術館が誕生しました!

 

 

写実絵画のための展示室!?

 

ホキ美術館には、写実絵画コレクションを心ゆくまで鑑賞するためのしかけが沢山あります。

天井に埋め込まれたLEDの照明は、2種類の頃なる電球を使用することで、作品を立体的に見せてくれます。

 

また、床はゴムチップでできており、歩く時の足腰にかかる衝撃や負担を軽減してくれるんだとか!

じっくり観て楽しむ写実絵画も、これなら満喫できますね♪

 

ホキ美術館/常設展紹介/OBIKAKE

企画展示室では、開館10周年・リニューアルオープン記念 森本草介展が開催中!

 

ギャラリー1は、美術館では珍しい自然光をとり入れたギャラリーです。中庭にも風がいきわたるように、地下の階に密接しないように配置されているそうです。

また、先端30mは、宙に浮いています。建物もコレクションの一部として楽しめるようになっていますよ。

 

ホキ美術館/常設展紹介/OBIKAKE

 

 

陶磁器の名品まで展示!

 

ギャラリー7では、板谷波山や深見陶治など、 日本の陶磁器の名品を展示しています。

設立者・保木将夫さんは陶磁器も収集していたようです。

写実絵画美術館なのに!?と、思うかもしれませんが、繊細で工夫をこらした日本の陶磁器は、写実絵画と通じるところがあるかもしれませんね。

 

ホキ美術館/常設展紹介/OBIKAKE

ギャラリー7

 

 

3年に1度展示替えされる「私の代表作」

 

ギャラリー8では、14人の作家に「私の代表作」というテーマで制作を依頼した大型作品が並びます。

 

ホキ美術館/常設展紹介/OBIKAKE

ギャラリー8

 

日本を代表する写実画家たちが、自分の描きたいものを描き、発表するまたとない場です。

また、作品はすべてホキ美術館のために描き下ろされたものです。作家たちの競演は見逃せませんよ!

 

 

写実絵画の魅力って?

 

写実絵画とは、あるイメージを丁寧にそのまま描写した絵画のことで、写真と間違うほど細かい描き込みが特徴です。

 

ホキ美術館/常設展紹介/OBIKAKE

左:五味文彦《いにしえの王は語る》、右:五味文彦《木霊の囁き》

 

たとえばリンゴなら、その見た目や、今にも甘酸っぱい香りが匂ってきそうな雰囲気まで描くのが写実絵画の見どころです。

ただ模写しただけでなく、作家の想いや感情まで考えてみると面白いですよ。

 

 

吹き抜けが気持ち良いカフェ♪

 

ギャラリー1から階段を下りると、小さくてかわいらしいカフェがあります。

こだわりのデザイナーズチェアは、席ごとに違うのがポイント!

 

ホキ美術館/常設展紹介/OBIKAKE

 

絵画鑑賞の合間にワインを飲んだり、美味しいサンドイッチや千葉の小皿もあるそうです。

おびかけ編集部は限定10食のハヤシライス(サラダとコーヒー付き1300円)を楽しみにしていきましたが、残念ながら売り切れでした…とっても人気みたいです!

 

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気になる質問! 担当者さんに聞いてみました

 

― 「ホキ」ってなんですか?

実は、ホキ美術館を設立した保木(ほき)将夫さんの苗字なんです。現在は娘である博子さんが二代目館長を務めています。

 

― 所蔵数はどのくらいですか?

巨匠から若手まで、約60作家480点の写実絵画を所蔵しています。

写実絵画を一度に堪能できるのは、日本ではホキ美術館だけです。ぜひゆっくり鑑賞してみてください。

 

― お客さんに人気の作品はありますか?

一番人気の作品は、生島浩さんの《5:55》です。ミュージアムショップでも、本作のポストカードなどを手に取っていただくことが多いです。

ホキ美術館/常設展紹介/OBIKAKE

生島浩《5:55》2007-2010年 ホキ美術館

 

本作のモデルは一般女性で、大阪の公民館で働かれていた彼女を、知人の協力を得て説得したそうです。

モデルを終える約束の時間「6:00」まであと5分。どこかソワソワしているような、でも、じっとしていなければ、という雰囲気が伝わってきます。

 

 

ホキ美術館は、当日であれば入場券を見せると何度でも出入りできます。

隣接する昭和の森を散策したり、カフェやレストランで好きな作品について語ってみてはいかがでしょうか?

 

ホキ美術館/常設展紹介/OBIKAKE

 

Information

ホキ美術館

開館時間:10:00~17:30(入館は17:00まで)

休館日:毎週火曜日、12月29日~1月1日 ※12月28日(月)は16:30に閉館

所在地:〒267-0067 千葉県千葉市緑区あすみが丘東3-15

公式HP:https://www.hoki-museum.jp/

アクセス:

東京駅から電車で50~60分:JR横須賀線・総武線 千葉駅乗換、あるいはJR京葉線 蘇我駅乗換、JR外房線土気(とけ)駅下車

東京駅から特急電車で48分:JR外房線 大網駅下車、タクシーで10分

羽田からバスで70分:土気(とけ)駅前下車

成田から電車で66分:JR成田線 千葉駅乗換、JR外房線 土気(とけ)駅下車

入場料:一般:1830円、高校生・大学生・65歳以上:1320円、中学生:910円、小学生以下無料(大人1人につき小学生2人まで)

※障がい者手帳をご提示いただいた方は入館料が半額になります。

※日時指定予約制

 

 

 

 

 

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Editor  三輪 穂乃香

【編集後記】

次は絶対にハヤシライスリベンジする・・・・!

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