ナニソレ
2021.1.25
ナニソレでは、1日1つずつ美術の豆々知識を紹介していきます。
A.昔は多くの人生儀礼で、魔よけの意味を持つ「赤」や「紅」が使われていました。
『古事記』には、悪霊邪気を払うため、床に赤土を撒き散らしたとの記述があるそう。江戸時代に、疱瘡(ほうそう/天然痘(てんねんとう)のこと)や麻疹といった感染症が大流行した折、人々はすがるような思いで、赤摺り(紅摺り)のまじない絵「疱瘡絵」を買い求め、部屋に飾って平癒を祈りました。
赤色に対する破邪退魔(はじゃたいま)の信仰は、医学・薬学の発達していなかった時代・地域にあって、人びとの拠り所になっていたのでしょうね。