展覧会レポート
2021.1.21
あしたのために 情熱的に!
魂のスポーツマンガを通覧する展覧会
世田谷文学館にて「あしたのために あしたのジョー!展」が開催中です。
展示風景
誰もが知る国民的スポーツマンガ『あしたのジョー』。1968年の連載開始から半世紀以上経った今でも、世代を問わず多くの人々に愛される作品です。
主人公・矢吹丈がスポーツを通して成長する姿を描く本作は、登場人物たちの葛藤や生きざまを表した数々の名言も見どころのひとつです。
本展では、貴重な原画100点以上を通して〈魂のスポーツマンガ〉である『あしたのジョー』の世界を紹介します。
特設イメージコーナーで作品に入り込む!
展示室は、『あしたのジョー』のストーリーダイジェストから始まります。
ボクシングを通して成長していく主人公を見ながら進んでいくと…
あしたのために イメージコーナー 展示風景
特設イメージコーナーが出現!
こちらのコーナーでは、ジョーのライバル・力石の死について紹介しています。ジョーとの試合で亡くなった力石のシーンは、多くの反響を呼び、作品の分岐点になりました。
マンガ史上初となる、現実世界での‟登場人物葬儀”。葬儀が行われた当時の資料などをたどることができます。
展示室をさらに進むと、「丹下拳闘クラブ」のイメージコーナーもありますよ♪
原作者の長男と、漫画家両者が選ぶ名場面
原作者の長男である高森城と、漫画家・ちばてつやの両者が選ぶ名場面も多数紹介されています。
展示風景
『あしたのジョー』では、原作者の原稿をもとにしながら、漫画家ならではの心理描写やエピソードが書き足されています。
そんな作者の思い入れのあるシーンを、貴重な原画と興味深いメッセージで知ることができますよ。
ジョーの仲間たち
『あしたのジョー』は、主人公を支える多くの仲間たちが登場します。
展示風景
師匠である丹下段平や、相棒の西寛一に、物語のヒロインとも言える白木葉子など。個性豊かな仲間を、原画やパネルでたっぷり紹介します。
世田谷文学館イチオシのコーナー!
舞台裏の格闘コーナーは、原作の原稿と実際のマンガを比較できるユニークな展示となっています。
展示風景
たとえばジョーと力石の対決前夜のシーン。原作者・高森朝雄は、修正があまりない勢いのある原稿を書いています。
対する漫画家・ちばてつやは、原作に描かれていない‟間合い”やセリフを追加して、発表しました。
原作者の勢いのある原稿と、漫画家の感性豊かなコマ作り。『あしたのジョー』制作舞台裏の対決をお楽しみください。
ボクシングに‟自らの命を燃えつくすほどの情熱”を見出していくジョーの姿は、私たちがあすを情熱的に生きる姿勢を教えてくれます。
『あしたのジョー』の世界を堪能できる本展、ぜひお見逃しなく!
展示風景
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Editor | 三輪 穂乃香
【編集後記】
ファンにはたまらない贅沢な展示です!