展覧会レポート
2021.2.16
唯一無二のクリエイティビティを体感
佐藤可士和の活動の軌跡とは
国立新美術館にて「佐藤可士和展」が開催中です。
展示風景
佐藤可士和は、日本のクリエイティブディレクターです。
1990年代、アートディレクターとして斬新な広告プロジェクトを次々と手がけた佐藤は、 2000年の独立以降、企業から、幼稚園、病院、ミュージアム、エンターテインメント界、ファッション界、そして地域産業まで、多種多様な分野で革新的なVI・CI計画やブランド戦略を手がけ、国内外から注目を集めてきました。
佐藤独自のデザイン論は、文化、経済活動、そして私たちの日常生活にいたるまで、社会のすみずみに影響を及ぼしています。
過去最大規模の個展となる本展では、佐藤自身がキュレーションする会場のなかで、約30年にわたる佐藤の活動を多角的に紹介します。
見どころ①
屋外広告のダイナミックな展示
1989年に博報堂に入社した佐藤は、1990年代にアートディレクターとして斬新な広告表現を次々に打ち出したのち、2000年に独立して活動の場を広げていきました。
展示風景
佐藤は、従来の広告展開の主軸であった、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌だけにとらわれず、人々の目に触れるCDジャケットや飲料のパッケージから、ショッピングバッグ、駅のポスター、道端で配られるポケットティッシュまでもメディアととらえ、それら全てを統一性のある明快なデザインで貫きました。
街のあちこちが、情報を瞬時に伝える「アイコン」となって連動し、人々の目に飛び込む。その街並みがテレビや新聞で報道されれば、広告になる。佐藤の画期的なデザインワークは、広告戦略そのものの刷新を導きました。
見どころ②
慣れ親しんだロゴのインスタレーション
展示風景
ブランドロゴは、企業理念や商品・サービスの価値など、目に見えない概念を視覚化したもので、商品、店舗や施設、社屋のサイン、名刺や封筒、アプリアイコンやホームページ、SNS、パッケージ、ショッピングバッグ、衣服のタグなど、さまざまな媒体に展開されます。そのためロゴには、一貫したイメージを伝えることのできる明快なデザインが不可欠です。
佐藤は、多種多様な分野でクリエイティブディレクションを手がけるなかで、多くのロゴを制作してきました。それらはいずれも、一度目にしたら忘れられない形や色彩を特徴としています。
見どころ③
「UT STORE」も登場
展示風景
佐藤の代表作の一つ、ユニクロのグラフィックTシャツブランド「UT」。
本展では、「UT STORE」の国立新美術館バージョンとして「UT STORE @ THE NATIONAL ART CENTER, TOKYO」をプロデュースします。
TシャツのデザインからUT STOREにおける購買体験まで、「UT」のプロジェクトそのものを一つの作品として提示する新しい試みです。
見どころ④
お買い物パンダと写真も撮れる!
会場内には本展でしか見られない巨大お買い物パンダが登場!
会場内は写真撮影可能ですので、ぜひ記念撮影してみてはいかがでしょうか?
過去最大規模で佐藤可士和の仕事を紹介する本展。
展示室を巡る来場者は、佐藤の数々の仕事を「作品」として鑑賞する刺激的な体験を通して、その唯一無二のクリエイティビティを体感することになるでしょう。
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開催終了
国立新美術館 企画展示室1E
Editor | 三輪 穂乃香
【編集後記】