展覧会レポート ニュース
2021.3.22
毎年恒例 平面作品の展覧会
2021年のVOCA賞は?
上野の森美術館にて「VOCA展2021」が開催中です。
展示風景
毎年恒例のVOCA展。全国の美術館学芸員、ジャーナリスト、研究者などに40才以下の若手作家の推薦を依頼し、その作家が平面作品の新作を出品するという方式により、全国各地から未知の優れた才能を紹介する展覧会です。
気になる2021年の大賞は?
今年のVOCA賞は、尾花 賢一さんの「上野山コスモロジー」に決定しました!
尾花 賢一「上野山コスモロジー」 インク・ワトソン紙、木枠
本展会場がある上野をテーマとした本作。作品に取りかかるとき、尾花は展示される『場所』について思考を深めることから始めるそうです。
尾花が幼少の頃、はじめて美術に触れた場所でもある、上野。『モナリザ』のような名作が展示されることもあれば、市民が発表できる公募展が開催される場もある、美術の権力化にも大衆化にも加担してきた街です。
本作は現代社会の人間の利己的な部分に疑問を投げつつ、上野と自分との関係を問い直すユニークな作品です。
奨励賞や佳作賞もお見逃しなく
おびかけ編集部が注目した、VOCA佳作賞の作品もあります!
展示風景より右、岡本 秀「複数の真理とその二次的な利用」
紙本着色、額に写真をマウント
平らに伸ばされたふすまに中国元王朝の画中屏風絵をもとにしたイメージを描いた作品です。
画中のついたてには分割された牛が入れ子状に見え、ふすまの向こう側は桂離宮と繋がっています。
平面に異なる文脈のものが配置されており、現代のディスプレイ上のマルチウィンドウのようにも見えます。
現代アートにおける平面の領域で、将来性のある若手作家の支援を目的に開催されるVOCA展。
本年は新進気鋭の作家30人(組)が出品します!
全国各地で活躍する未知の才能を、上野の森美術館でじっくり鑑賞してみてはいかがでしょうか?
展示風景
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VOCA展2021
現代美術の展望─新しい平面の作家たち─
2021.03.12~2021.03.30
開催終了
上野の森美術館
発信元 | OBIKAKE編集部