展覧会レポート
2021.4.2
設立15周年を迎える「rhizomatiks」の、美術館における初の大規模個展
現在とシンクロする新作プロジェクトにも注目です!
東京都現代美術館にて、「ライゾマティクス_マルティプレックス」が開催中です。
《Rhizome》 2021 技術協力=パナソニック株式会社
rhizomatiks(ライゾマティクス/以下、ライゾマ)は、設立以来、常に人とテクノロジーの関係を探求するメディアアート集団です。
世界的に活躍するアーティストであるビョークやPerfume、狂言師・野村萬斎のほか、研究者らとのコラボレーションに加え、技術と表現の新しい可能性を追求してきました。
本展では、新作インスタレーションや過去の代表作のアップデート版、さらにこれまでの活動を網羅的に紹介する記録映像などを紹介します。
ダンサーの動きをデータ化した、インスタレーション!
《Rhizometiks×ELEVENPLAY”multiplex”》 2021 技術協力=パナソニック株式会社
新作の一つである本作は、演出振付家MIKIKO率いるダンスカンパニー「ELEVENPLAY」のダンサーの動きをモーションデータ化し、映像プロジェクションなどとともに構成したインスタレーション作品です。
高さ約7メートル、全長約27メートルの空間に、レーザープロジェクターを15台使用し、マッピング!
没入感のある空間が演出されています。
鑑賞者の視点をリアルからバーチャルの空間に切り替えることにより、新たな人間性について考えさせる作品になっています。
代表作もアップデートとして展示!
《particles 2021》 2021
2011年に発表し国内外で多数受賞し評価された《particles》が、本展に合わせてアップデート!
本作は、同館の地下2階から地上3階までの吹き抜け空間に展示。
高さ8メートルあるらせん構造のレールに走るボールの位置を正確にトラッキング(*)するレーザー照射により、独創的かつ幻影的な残像を生み出します。
*トラッキング:特定の条件に基づいて追跡し、情報を得ること。
本展に使用されているシステムやデータも紹介
《Epilogue》 2021
本展のエピローグには、本展覧会で使われているシステムやデータなど、普段は目にすることない光景を体験できる空間になっています。
展示の最後のしめくくりに、もう一度展示空間全体を見渡すことができる、ユニークな作品です。
オンライン会場も登場!
multiplex(マルティプレックス)と題された本展では、ライゾマのこれまでの活動を、東京都現代美術館の会場(=オフライン)での展示に加え、オンライン会場でも観ることができます!
オンライン体験の後にオフラインで鑑賞、または、オフラインで鑑賞してからオンラインで追体験など、どちらも楽しむことができますよ♪
オンライン会場URL:https://mot.rhizomatiks.com/(外部リンク)
同時開催
「マーク・マンダース ―マーク・マンダースの不在」
マーク・マンダース《乾いた土の頭部》2015-2016
企画展示室3階では、現代のアートシーンに独自の位置を占める作家、マーク・マンダース(1968-)の、国内美術館では初となる個展も開催されています。
本展は、マンダース本人の構想により、展示全体を一つの作品=創造の建物のインスタレーションとして構成。
作家の独特な世界に入り込み、作品を十分に堪能できる貴重な展示になっています。
代表作を初公開!
マーク・マンダース《マインド・スタディ》2010-2011 Courtesy: Zeno X Gallery, Antwerp
本展では、近年のマンダースの個展で必ず出品されてきた代表作も紹介。
日本初公開となる《マインド・スタディ》は、2013年のヴェネツィア・ビエンナーレに出品された作品です!
こちらもぜひ、お見逃しなく。
迫力あるインスタレーションが楽しめる2つの展覧会。
長時間立ち続ける場合があるのでお出かけの際は、フラットで履きなれた靴をオススメします!
東京都現代美術館は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、臨時休館していましたが、6月1日(火)から感染予防対策を講じた完全予約制のうえ展示再開・開館しました。
詳しいチケット情報は、美術館公式サイトをご確認ください。
OBIKAKE gifts
本展の招待券を5組10名様にプレゼント!
(平日限定チケット)
〆切は2021年4月19日23:59まで!
応募フォーム※終了しました
★その他の展覧会レポートはコチラ
ライゾマティクス_マルティプレックス
2021.03.20~2021.06.22
開催終了
東京都現代美術館 企画展示室 地下2F
※新型コロナウイルス感染予防対策が実施されています。来館される際は、必ず公式サイトをご確認ください。
Editor | 静居 絵里菜
【編集後記】
2展とも見ごたえバッチリのインスタレーションが楽しめますよ♪
春のおでかけ候補にいかがでしょうか?