展覧会レポート
2021.6.23
死生観や祈りなど、人間の本質を「陶」で表現
「女帝」シリーズ3点も初公開されます!
菊池寛実記念 智美術館にて「三輪龍氣生の陶 命蠢く」が開催中です。
三輪龍氣生の陶 命蠢く 展示風景
三輪龍氣生(みわ りゅうきしょう/1940-)は、陶によるシンボリックで具象的な造形で、自身の心情をストレートに表現してきました。
それらの作品には、生や死、祈りなど人間の本質的なテーマが示されています。
本展では、三輪の初期の代表作をはじめ、2019年に休雪から龍氣生に改号後に制作された新作を含む79点を紹介。
さらに、同館設立者の菊池智(1923~2016)が所蔵した「女帝」シリーズ3点も、初めて一堂に展示します!
見どころ①
智美術館で味わう三輪ワールド!
三輪龍氣生の陶 命蠢く 展示風景
江戸時代から続く萩焼の名門に生まれ育った三輪。
茶の湯の世界で親しまれる萩焼の伝統を継承するというよりも、やきもので自己を表現するために、自由な制作を求めました。
《豊饒の視志》2020年
本展のメインビジュアルに使用されている《豊饒の視志》は、アルテミス像をイメージしています。
豊穣の女神であるアルテミスのように、本作も多数の乳房を持っています。その谷間から現れる男性とワシの頭部、そして赤色の釉薬(ゆうやく)が力強さを示しています。
智美術館の落ち着いた空間で、三輪自身の生命力あふれる作品を楽しんでみてください♪
見どころ②
「女帝」シリーズ3点が初公開
2013年、同館では「三輪壽雪・休雪―破格の創造」展を開催しました。この展覧会が開催された時に、菊池智が三輪に個展開催を提案しました。
そのテーマとして2015年に制作されたのが、「女帝」シリーズでした。
左「女帝・春」/中「女帝・荘厳」/右「女帝・夏」
しかし、菊池の死去により個展の構想が中断され、「女帝」シリーズの3点は未発表のままでした。
本展では、三輪と菊池の信頼関係を象徴する「女帝」シリーズ3点を初公開します!
ぜひ、お見逃しなく。
人間の根源を、陶で造形する三輪の作品を展覧できる本展。
智美術館のシンボルにもなっている、ガラス作家の横山尚人が手掛けた階段の下には、フォトスポットもあります!
「人間シリーズ」
本作品に限り撮影可能とのこと! 展覧会の思い出に、1枚撮影されてみては?
※三脚、自撮り棒、フラッシュ禁止。他のお客様のプライバシーには十分ご配慮ください。
OBIKAKE gifts
本展の招待券を5組10名様にプレゼント!
〆切は2021年7月9日23:59まで!
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三輪龍氣生の陶 命蠢く
2021.04.17~2021.08.08
開催終了
菊池寛実記念 智美術館
※会期を1週間延長。本展の招待券をお持ちの方は、8月8日(日)までご利用いただけます。詳しくは、美術館公式サイトをご確認ください。
Editor | 静居 絵里菜
【編集後記】
「女帝」シリーズは、作品の裏側にも注目です!