展覧会レポート
2021.7.7
ランス美術館の風景画コレクションが来日!
フランス近代風景画の展開を紹介する展覧会
SOMPO美術館にて「ランス美術館コレクション 風景画のはじまり コローから印象派へ」が開催中です。
アンリ=ジョゼフ・アルピニー《夜明け》1890年 など会場風景
フランス、シャンパーニュ地方のランス市に建つランス美術館。
19世紀の風景画コレクションが充実しており、なかでもカミーユ・コローの作品が、ルーヴル美術館に次いで数多く所蔵されている美術館です。
本展では、ランス美術館のコレクションから選りすぐりの名品を紹介!
コローやバルビゾン派から始まり、印象派でひとつの頂点に達するフランス近代風景画の展開をたどります。
ランス美術館からコローの油彩画が16点来日!
世界的に有名なルーヴル美術館に次いで、多くのコローによる油彩画を27点所蔵するランス美術館。本展では、その所蔵作品の中から16点出品します!
ジャン=バティスト・カミーユ・コロー《突風》1865-70年 など会場風景
ジャン=バティスト・カミーユ・コローは、裕福な織物商の家に生まれました。家業を継ぐはずでしたが、20代半ばを過ぎてから画家になることを決意します。
イタリアやフランス各地を写生のために旅行し、まるでその場にいるかのような臨場感あふれる作品を描きました。
(左から)ジャン=バティスト・カミーユ・コロー《イタリアのダンス》1865-70年/ジャン=バティスト・カミーユ・コロー《湖畔の樹々の下のふたりの姉妹》1865-70年
詩情あふれるコローの作品を日本で観るチャンスです。
ぜひ、お見逃しなく♪
19世紀に発展した「版画」も紹介!
写真が普及するまで、絵画の複製には「版画」の技術が使われていました。18世紀以前、こうした複製版画は、画家の原画をもとに、専門の彫師が版を作成していました。
ランス美術館コレクション 風景画のはじまり コローから印象派へ 展示風景
19世紀に入ると、画家自らが版を作成するようになります。コローやバルビゾン派の画家たちも版画を自ら作成しました!
彼らが好んで使っていたのが、線画彫りやすく自由な描写が可能なエッチング(*)と、自然光の明暗表現に適したクリシェ・ヴェール(*)でした。
画家自身による複製版画やオリジナル版画は、新聞や雑誌などで広まり、風景画の普及と発展に貢献しました。
*エッチング(腐食銅版画):胴の板を強い酸の膜でおおい、線を描きたい部分を先のとがった道具で取り除き、銅を露出させる版画技法のこと。
*クリシェ・ヴェール(ガラス版印刷):光を通さない塗料でコーティングされたガラス板を、針などで線を描きたい部分のコーティングをはがし、ガラスを露出させる版画技法のこと。
油彩画や版画など約80点から、フランス近代風景画の展開を紹介する本展。
外出の難しいこの時期に、SOMPO美術館でプチ海外旅行を楽しんでみてはいかがでしょうか?
ポール・ゴーギャン《アリスカンの並木路、アルル》1888年 SOMPO美術館蔵
OBIKAKE gifts
本展の招待券を3組6名様にプレゼント!
〆切は2021年7月26日23:59まで!
※プレゼントチケットは、8/17-9/12までの有効期限付きのものとなります。
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ランス美術館コレクション 風景画のはじまり コローから印象派へ
2021.06.25~2021.09.12
開催終了
SOMPO美術館
Editor | 静居 絵里菜
【編集後記】
作品の目の前に立つと、その風景の中にいるかのような臨場感がありました! またミュージアムショップでは、展覧会オリジナルグッズも販売しています。こちらもお見逃しなく♪