展覧会レポート
2021.7.19
世界的な人気を誇る芸術家マン・レイ
ミューズとなった女性たちに焦点を当てます
Bunkamura ザ・ミュージアムにて「マン・レイと女性たち」が開催中です。
展示風景
マン・レイ(1890-1976)は、20世紀を代表する芸術家のひとりです。幅広い分野でマルチに活躍し、今もなお世界的な人気を誇っています。
その独創的な撮影スタイルや技法で、大胆さと優美さを持つモデルたちの魅力を引き出し、多くの傑作を生み出しました。
本展では写真を中心に、絵画やオブジェなどを加えた250点を超える選りすぐりの作品でマン・レイの人生を紹介します。
女性たちとマン・レイの出会い・別れ
マン・レイは1921年に文化・芸術の中心地であったパリへ渡り、芸術家や文学者、モード界や社交界の人びとと交流しながら、さまざまな出会いと恋愛を経験します。
恋人だったキキ・ド・モンパルナスやリー・ミラーのほかにも、多数の女性アーティストたちとたえず交友しました。
左;マン・レイ《アングルのヴァイオリン》 1924年 ゼラチン・シルバー・プリント(後刷) 個人蔵
《アングルのヴァイオリン》は、恋人だったキキ・ド・モンパルナスがモデルの作品です。
マン・レイはキキの美貌と資質のとりこになり、7年にわたり同棲生活を送りました。そのあいだに、注文仕事ではない多くの肖像写真・裸体写真を撮りつづけます。
キキはマン・レイの“ミューズ”になったのです。
その後も「女性」の存在が作品制作における重要なテーマとなり、彼と人生を共にした女性たちは、新しい時代に生きる自由な女性像、あるいは時代の“ミューズ”として、写真をはじめ、マン・レイのさまざまな作品に登場するようになりました。
モード界とマン・レイ
マン・レイがモード(ファッション)の世界とかかわったのは、当時デザイナーとして君臨していたポール・ポワレからオートクチュールの撮影を依頼されたことがきっかけでした。
以来高級モード雑誌にマン・レイの写真が掲載されるようになります。
商業的な仕事には抵抗がありましたが、モード関係の仕事だけはつづけ、結果としてファッション写真に新風を吹き込みました。
展示風景
世界的なデザイナーであるココ・シャネルも、マン・レイの友人のひとりです。新しい社会の新しい女性像を体現したモードで一世を風靡したシャネルは、良き友人であり、アートの理解者でもありました。
デザイナーや芸術家など、名だたる人びとが被写体となったマン・レイの「交友録」ともいえるポートレートと中心に、新しいセンスで構成されたファッション写真の数々、当時のドレスやジュエリーも紹介します。
自由なマン・レイ スタイル
写真家としての名声のほか、画家であり映画作家であり文筆家でありデザイナーでもあったマン・レイは、マルチな才能の持ち主でした。
多くのオブジェも制作しており、そのユーモアと遊び心は、鑑賞者をひきつけ、時に考えさせます。
展示風景
自らを「万能の人」レオナルド・ダ・ヴィンチと称したマン・レイ。
たえず新しい技法を案出しながら変貌をつづけ、技術よりアイディアを重んじてきました。その作品世界には、堅苦しいところや力んだところがありません。
マン・レイの生涯を4つに分けて紹介する本展。20世紀のさまざまな芸術の流れやファッションについても通覧できる機会です!
また、登場する多くの女性たちの自由な美しさにも注目してみてください。
展覧会コラボメニューも登場!
会期中、パリのビストロで愛されるメニューや、マン・レイ作品からインスピレーションを得た限定メニューが登場します!
ベリーニ フラッペ 1,400円 ペッシュ オ レ1,200円
太刀魚と魚介のブイヤベース サフランライス添え(サラダ、パン付)2,000円
※当面の間、アルコールの提供は休止いたします
マン・レイの作品世界に思いをはせながら、美味しいひとときを過ごすのも贅沢ですよ♪
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2021.07.13~2021.09.06
開催終了
Bunkamura ザ・ミュージアム
本展は【全日程 日時予約制】となります。
混雑緩和の為、本展にご来館されるお客様は【オンラインによる入場日時予約】が必要となります。(入場券を既にご購入済みの方・これから入場券をご購入される方・招待券や株主優待券をご利用される方)
【金・土曜日の夜間開館時間の変更】
本展会期中の金・土曜日の夜間開館は20:00まで(最終入館は19:30)とさせていただきます。
新型コロナウイルス感染症対策のため、ご来館前にお客様へのお願いと取り組みを必ずご確認ください。
Editor | 三輪 穂乃香
【編集後記】
名だたる人びとのポートレート群は圧巻です!
洗練された写真とBunkamuraの雰囲気もピッタリですよ~♪