展覧会レポート ニュース
2021.7.26
浮世絵からメダルまで!
トーハクで日本スポーツの発展を通覧
東京国立博物館にて「スポーツ NIPPON」が開催中です。
左:1964年東京大会 日本選手団デレゲーションユニフォーム(小野喬着用)昭和39年(1964)
右:三島弥彦 陸上ユニフォーム 明治45年(1912)
秩父宮記念スポーツ博物館蔵(通期展示)
本展では、東京2020オリンピック・パラリンピックの開催を記念して、日本におけるスポーツの歴史と文化を紹介します。
東京国立博物館と秩父宮記念スポーツ博物館が所蔵する美術工芸品や近現代スポーツ資料を通して、江戸時代以前と明治時代以降の日本スポーツの源流と発展を垣間見ることができます!
美術工芸に見る日本スポーツの源流
日本のスポーツの歴史は古く、原始・古代までさかのぼります。
そのルーツは、貴族の宮廷行事、武士の武芸、庶民の遊戯、そして神事や芸能など多種多様であり、相撲・流鏑馬(やぶさめ)・蹴鞠(けまり)といった伝統文化や、剣道・弓道などの武道として、現代まで受け継がれています。これらはまた、心身を鍛え、ルールのもとで互いの技を競い合うという意味では、現代のスポーツやオリンピック精神にも通じているといえます。
《獅子螺鈿鞍》平安~鎌倉時代・12~13世紀 東京国立博物館蔵
(通期展示)
表情豊かな獅子たちが螺鈿(らでん)によって表現されたこちらの螺鈿鞍は、軍陣鞍(ぐんじんくら)と呼ばれる実戦用の鞍です。
本作品は、柔道の父といわれた嘉納治五郎から東京国立博物館に寄贈されました。
第1章では、江戸時代以前の日本スポーツの源流を、東京国立博物館が所蔵する絵画や工芸などの美術作品によって紹介します。
近現代の日本スポーツとオリンピック
第2章では、近代から現在に至るまでの日本スポーツの歩みを取り上げます。
日本には古くから伝統的な文化と密接に結びついた「スポーツの源流」というべき、身体を伴うさまざまな活動がありました。明治以降、「スポーツ」という概念が海外より受容されます。とくに、オリンピックは日本にスポーツを普及・啓発する上で重要な役割を果たしました。
展示風景
日本が初めてオリンピックメダルを獲得した1920年アントワープ大会(ベルギー)の銀メダルや、1964年の東京大会の貴重なメダルまで、展示室内ではさまざまなメダルを間近で鑑賞することができます。
日本における初期のスポーツ用具や用品、オリンピックへの参加、そして招致・開催を実現していった過程を、秩父宮記念スポーツ博物館の所蔵資料を中心に紹介します。
OBIKAKE編集部のイチオシ!
数ある出品作のなかでも特にOBIKAKE編集部が気になったのは、《子持装飾付脚付壺》(こもちそうしょくつききゃくつきつぼ)です。
《子持装飾付脚付壺》古墳時代・6世紀 東京国立博物館蔵
こちらは古墳に副葬するための特別な土器で、よく見ると取っ組み合う二人の人物とそれを見ている人物の小僧があしらわれています。相撲の原形となった原始・古代の格闘技をあらわしたと考えられているそうです。
さまざまな日本スポーツの貴重な資料を紹介する本展。
総合文化展観覧料および開催中の特別展観覧券(観覧当日に限る)で鑑賞することができます!
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東京2020オリンピック・パラリンピック開催記念 特別企画「スポーツ NIPPON」
2021.07.13~2021.09.20
開催終了
東京国立博物館 平成館企画展示室
前期展示 7月13日(火)~8月15日(日)
後期展示 8月17日(火)~9月20日(月・祝)
会期中、上記の日程で展示替えを行います。
展示作品・会期・展示期間等については、今後の諸事情により変更する場合があります。
Editor | 三輪 穂乃香
【編集後記】