クレーンに乗る円谷英二(1934年) 国立映画アーカイブ所蔵
『乱軍』(1927年、松竹下加茂、犬塚稔監督、円谷英二撮影)ポスター 国立映画アーカイブ所蔵
『小唄礫 鳥追お市』(1936年、J.O.スタヂオ、円谷英二監督) 国立映画アーカイブ所蔵
「カメラワーク」1933年4月臨時号(日本カメラマン協会) 国立映画アーカイブ所蔵
私たちは「ゴジラ」や「ウルトラマン」のいない日本の映像文化の歴史を想像できるでしょうか? さまざまな特殊撮影の技術を駆使した日本の映画・テレビ作品は、世界各国のファンの心をつかみ、現在も限りないリスペクトに包まれています。そして日本の映像界が世界に誇るこうした技術を切り拓いた“特撮の父”円谷英二(1901-1970、本名英一)は、この2021年に生誕120年を迎えます。
福島県須賀川町(現・須賀川市)に生まれ、若き日は飛行機の操縦士を目指した円谷は1919年に東京で映画界に入り、京都では当時気鋭の監督衣笠貞之助の率いるグループに参加したのち、松竹の新スター林長二郎(のちの長谷川一夫)を擁した時代劇のフレッシュなキャメラマンとして頭角を表します。アメリカ映画『キング・コング』(1933年)に魅入られて特撮の研究を始めた円谷は、やがてミニチュア撮影により東宝撮影所の航空映画に貢献し、戦争映画『ハワイ・マレー沖海戦』(1942年)では日本映画界全体に特撮の意義を知らしめました。そして戦後、たゆまぬ創意工夫を通じ、日本初の「特技監督」として東宝撮影所などから数々の戦争映画・怪獣映画・SF映画を送り出し、1963年には円谷特技プロダクション(現・円谷プロダクション)を興してテレビ特撮の礎を築き、後進の育成にも努めた史実は誰もが知るところです。
近年、東宝特撮映画や円谷プロの「ウルトラマン」シリーズなどの特撮をめぐる研究は高度な達成を見せ、名スタッフの功績や技法に注目した展覧会も頻繁に行われていますが、これまで円谷自身を日本映画史の中に位置づけようとする機会は多くありません。その生誕120年を記念して、須賀川市との共催により実現する本展は、イギリスで新たに発掘された円谷撮影の初期作品『かぐや姫』(1935年)も含めて、若き日の功績にも注目しながらその生涯を紹介します。
生誕120年
円谷英二展
2021.08.17~2021.11.23
開催終了
11:00~18:30(入室は18:00まで)
*毎月末金曜日は11:00~20:00(入室は19:30まで)
月曜日、9月7日(火)~10日(金)、9月26日(日)~10月3日(日)、10月12日(火)~15日(金)
一般250円(200円)/大学生130円(60円)/65歳以上・高校生以下及び18歳未満、障害者(付添者は原則1名まで)、国立映画アーカイブのキャンパスメンバーズは無料
*料金は常設の「日本映画の歴史」の入場料を含みます。
*( )内は20名以上の団体料金です。
*学生、65歳以上、障害者、キャンパスメンバーズの方はそれぞれ入室の際、証明できるものをご提示ください。
*国立映画アーカイブの上映観覧券(観覧後の半券可)をご提示いただくと、1回に限り団体料金が適用されます。
*2021年11月3日(水・祝)「文化の日」は、無料でご覧いただけます。
国立映画アーカイブ
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国立映画アーカイブ、須賀川市