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ブルーノ・マトン Bruno Mathon《「Composition」より》2011年 エッチング+彩色、紙 10.5×16.6cm
ブルーノ・マトン Bruno Mathon《無題》2004~2005年 エッチング、紙 9.5×14.4cm
浜口陽三(1909~2000)は、フランスで新しい銅版画技術を開拓し、20世紀後半を代表する銅版画家として活躍しました。
浜口の作品では器の一部だけが透き通っていたり、月のように果物が宙に浮いたり、柔らかな空間の中に永遠の時間が流れているかのようです。
本展ではその浜口作品と共に、日本の芸術・文化に親しんだフランスの画家の一人、ブルーノ・マトン(1938~2020)の銅版画を紹介します。
ブルーノはパリの映画学校を卒業後、短編映画を手がけましたが、より直接的に表現を追い求める決意をして銅版画を学びます。その後、版画や油彩画、アクリル画などを発表しながら、美術評論を続け、短編小説も出版しました。
90年代以降は日本を度々訪れ、「手に思考が宿る」日本の工芸に、西洋の芸術にはない可能性を見出しています。彼は、銅版画のプロセス自体が芸術であると捉え、知的な表現を試みました。例えば「隠された音叉」シリーズでは、作家の問いかけやまなざしが、作品に柔らかに刷り込まれています。物静かで饒舌、繊細でユーモアのある作家の内面も一つの要素となり、銅版画と鑑賞者に対話が生まれます。
シンプルに見える線のシリーズは、イメージを超える新しい次元を求めて思索した時期の作品です。見る人の想像をくすぐり、心を象ります。展示にあたり、詩人の大岡亜紀氏、谷川俊太郎氏に、作品から浮かぶ言葉を書いていただきました。ご自身のイメージと合わせてご鑑賞ください。
銅版画には、油彩画や水墨画とは異なる表現の深さがあります。二人の作品はベクトルが違うものの、静かな引き潮のように、私たちの中にある感覚を遠くへと導き、星の光のように、 その先の世界を照らします。浜口作品約20点、ブルーノ作品約50点の構成です。
浜口陽三、ブルーノ・マトン展-ひとつ先の扉
2022.01.15~2022.05.08
開催終了
11:00〜17:00(土日祝は10:00〜)
※いずれも最終入館16:30
※毎週金曜日は20時まで開館(最終入館19:30)し、カフェもご利用いただけます。
月曜日(ただし3/21は開館し、翌3/22休館)
大人600円、大学・高校生400円、中学生以下無料
ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション
〒103-0014
東京都中央区日本橋蛎殻町1-35-7
東京メトロ半蔵門線水天宮前3番出口そば
ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション