フィオナ・タン《近い将来からのたより》2003年
ヴィデオ・プロジェクション 作家蔵
©Fiona Tan,courtesy Wako Works of Art
北野謙 《N1》〈未来の他者〉2018 年
発色現像方式印画(フォトグラム)作家蔵
©Ken Kitano, courtesy of MEM
ゲルハルト・リヒター 《MV. 6》〈 Museum Visit〉2011 年
写真にエナメル塗料 東京都写真美術館蔵
©Gerhard Richter, courtesy of Wako Works of Art
わたしたちは普段、主に視覚から情報を得ていると言われています。
その視覚的情報を元に、個々人が“イメージ“を作り出し、重ねながら、ものごとを考えていきます。わたしたちの認識のベースには、複雑にからみ合い、洞窟のように入り組んだイメージが存在しています。しかしその実、同じ光景を見ても感じとることは人によって異なり、同じ写真や映像を見ても、異なる感覚をおぼえます。本展覧会は、洞窟をモチーフや暗喩にした写真や映像の作品から、イメージや認識の作られ方を再考しようとするものです。
「洞窟」というモチーフには私たちの意識の源を探るうえで、思いがけない射程があります。哲学者プラトンによる「洞窟」は、イメージの認識に潜む「虚像と実在」という根源的問題を示唆しています。宗教学者ミルチャ・エリアーデは、自己を根源的に体験しなおし、外界と関わりなおす準備をするための場として、体験的洞窟があると指摘しました。
洞窟という切り口から、現実と写真、歴史・社会と身体・存在をとらえなおし、現代から未来へつなぐ「像・イメージ」をぜひご高覧ください。
*カメラ・ルシーダ 目に見える風景など三次元の世界を正確にスケッチするための光学的な器具。
**フォトグラム カメラを使わず、さまざまな物体を印画紙に直接のせて、イメージを写しとる写真の制作技法。
イメージの洞窟
意識の源を探る
2019.10.01~2019.11.24
開催終了
10:00~18:00(木・金は20:00まで)
※ただし、8月15日(木)~8月30日(金)の木・金は21:00まで開館。
※入館は閉館30分前まで
毎週月曜日(ただし、月曜日が祝日、振替休日の場合、翌火曜日休館)
一般 800(640)円/学生 700(560)円/中高生・65歳以上 600(480)円
※( )は20名以上団体、当館の映画鑑賞券ご提示者、各種カード会員割引、当館年間パスポートご提示者(ご利用案内をご参照ください)
※小学生以下、都内在住・在学の中学生および障害者手帳をお持ちの方とその介護者は無料
※第3水曜日は65歳以上無料/10月1日(火・都民の日)は無料
※各種割引の併用はできません。
東京都写真美術館 2階展示室
東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
03-3280-0099
JR恵比寿駅東口より徒歩約7分
東京メトロ日比谷線恵比寿駅より徒歩約10分
東京都 東京都写真美術館、東京新聞