展覧会レポート
2019.10.3
日本初の大規模個展!
バスキアと日本とのつながりとは?
森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)で「バスキア展 メイド・イン・ジャパン」が開催中です。
Artwork © Estate of Jean-Michel Basquiat. Licensed by Artester. New York
80年代のアートシーンに欠かせない存在、ジャン=ミシェル・バスキア。
わずか10年間の活動のあいだに3,000点を超すドローイングと、1,000点以上の絵画作品を残しました。
彼の作品は強烈なエネルギーに溢れているだけでなく、ジャズやヒップホップ、アフリカの民俗や人種問題などを主題としているのも特徴です。
今回は彼の作品の中から特徴的な作品をピックアップしてご紹介します。
HEROES 英雄たち
ジャン=ミシェル・バスキア Untitled, 1982
Yusaku Maezawa Collection, Chiba
Artwork © Estate of Jean-Michel Basquiat. Licensed by Artester. New York
今回のメインビジュアルにもなっているこの作品、見たことがある人も多いのではないでしょうか。
バスキア作品における黒人男性の肖像は、仮面のような顔、食いしばった歯、中央に配された人物像における肉体の誇示が特徴的です。
MADE IN JAPAN メイド・イン・ジャパン
ジャン=ミシェル・バスキア
Napoleon, 1982 Private Collection
Artwork © Estate of Jean-Michel Basquiat. Licensed by Artester. New York
バスキアは日本およびその文化と多角的に関わっていました。
「メイド・イン・ジャパン」という言葉は彼の中に終生存在していたと言えるのではないでしょうか。そしてそれは、家電製品や電子機器、人気のオモチャなどの上部に簡単に見つけることができるものだったのです。
活気に満ち溢れた《ナポレオン》は YEN(円)が配されており、日本のバブル景気の世相を見事に反映させています。
会場には「メイド・イン・ジャパン」というタイトルの作品が2点展示されています。そちらもお見逃し無く。
SELF – PORTRAIT 自画像
ジャン=ミシェル・バスキア
Self-Portrait, 1985 Private Collection
Artwork © Estate of Jean-Michel Basquiat. Licensed by Artester. New York
彼は自画像のほとんどで、自身の顔を特徴づけるような表現をしていません。代わりに、目、鼻、口、ドレッドヘアを端的に示す2、3本のブラッシュストロークで表現しています。
仮面をかぶったような人物像は、人種差別や抑圧に抵抗するアフリカ系アメリカ人のアイデンティティの問題を提起しているのです。
また、バスキアはこうも言っています。
「ぼくの絵の中では黒人たちは喜んで表現され、理解されています。」
バスキアは没後もなお、アートやファッション、カルチャーに影響を及ぼし続けています。
変わりつつある当時の世界の価値観と、彼が扱っていたアフリカの人種問題や消費文化などの題材が絶妙にマッチしたのかもしれません。
でも、ただそれだけじゃない。見る人が圧倒される大きなエネルギーが彼の作品にはあるのです。
なお、今回紹介した作品はすべて写真撮影が可能(!)。是非生で鑑賞してみてくださいね。
Information
展覧会名:「バスキア展 メイド・イン・ジャパン」
会場:森アーツセンターギャラリー (六本木ヒルズ森タワー52階)
会期:2019.09.21〜2019.11.17
展覧会公式サイト:https://www.basquiat.tokyo/
お問い合わせ:03-5777-8600(ハローダイヤル)
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「バスキア展 メイド・イン・ジャパン」のチケットを5組10名様にプレゼント!
〆切:2019.10.16 23:59まで
応募はこちらから!
Editor | 三輪 穂乃香
間近で見るとそのエネルギーと迫力に圧倒。作品の背景がわからなくても、感覚で楽しめるのではないでしょうか!