展覧会レポート
2019.10.10
テーマは「時間」。
現代作品に焦点を当てた、初の試み
国立新美術館にて「カルティエ、時の結晶」が好評開催中です。
今まで世界各国の主要美術館は、カルティエのコレクションの中から歴史的な作品を展示してきました。
本展覧会では、カルティエ コレクションと個人所蔵作品の、とりわけ1970年代以降の現代作品に焦点をあて、カルティエというトップメゾンのイノヴェーションに満ちた美の世界を紹介します。
それでは、OBIKAKE編集部が選んだ本展覧会の見どころをご紹介します。
静寂に包まれた時の間で
優れた技術と創造性に触れる
序章「時の間」では、カルティエを代表する作品とも言える「ミステリークロック」と「プリズムクロック」を、あますことなく紹介しています。
《大型の「ポルティコ」ミステリークロック》 カルティエ パリ、1923年 カルティエ コレクション
現在も完成までに何ヶ月もかかり、多くの専門家が携わっている カルティエの“時を刻む芸術品”。
真っ暗な展示空間にポッと浮かび上がる至高の作品の数々たちは、インスタレーションのようですよ。
時代を読み、新たな色彩世界を生み出す
カルティエスタイルとそのクリエイション
鮮やかなカルティエらしい色づかいは、世界中の人々を魅了します。
左:《プレスレット》 カルティエ、2015年 個人蔵
右:《ネックレス》 カルティエ、2007年 個人蔵
色彩豊かなカルティエのカラーパレット。それらは時代とともに少しずつ変化しています。
類似する色彩を重ねたり、カマイユ*でネックレスを構成したりするアプローチは、現代における新しい傾向を反映していると言えます。
*カマイユ・・・遠くから見るとほぼ同一に見える配色を組み合わせることで明暗を分け、立体感を出す技法。
多様性を探求し続けたカルティエ
好奇心旺盛なデザインをじっくり楽しんで
カルティエのジュエリーにはたくさんの動物が登場します。中でも目を惹かれたのがコチラ。
左:《「クロコダイル」ネックレス》 カルティエ パリ、特注品、1975年 カルティエ コレクション 右:《ペン》 カルティエ、2006年 個人蔵
クロコダイル2匹を組み合わせてネックレスになるこちらの作品。
カルティエは多くの地域の文献資料、カタログ、写真、美術品を収集し、それらからインスパイアを受けていたそうです。
この好奇心がユニークなデザインを生み出したのかもしれませんね。
世界中にファンが絶えないメゾン、カルティエ。
その美の秘密は卓越した技術のみならず、あくなき探究心や時代をよむ審美眼、さまざまな要素が絡み合ってこそのものなのでしょう。
Information
展覧会名:カルティエ、時の結晶
会場:国立新美術館 企画展示室2E
会期:開催中〜2019.12.16
詳細:https://obikake.com/exhibition/074/
OBIKAKE GIFTS
本展のチケットを5組10名様にプレゼント!
〆切:2019年10月23日 23:59まで
Editor | 三輪 穂乃香
会場内は本当に真っ暗! でもそれが宝石の輝きを極限まで魅せてくれます。