展覧会レポート
2019.12.12
身の回りに見いだす宇宙とは?
新進作家6人の写真展開催中
東京都写真美術館にて「至近距離の宇宙 日本の新進作家 vol.16」が開催中です。
展示風景より、齋藤陽道〈感動〉より 2011年 発色現像方式位印画
「日本の新進作家」は写真・映像の可能性に挑戦する作家を支援し、新たな創造活動を紹介する場として2002年より開催しています。
本年度のテーマは「至近距離の宇宙」。
ごく身近にある誰も見ていないものってなんだろう。普段生活している範囲や家の中などに意識を向けて制作している6人の作家を通して、ささやかな気づきの楽しさを紹介します。
それでは、特に注目したい作家をご紹介します。
齋藤陽道(さいとう はるみち)
展示風景より、《星の情景》〈せかいさがし〉より 2019年 発色現像方式印画
こちらの作品は、生まれて間もない齋藤の子どもが寝ている光景を写したものです。
部屋に差し込んだ朝の光が、宙を舞うホコリを星のように輝かせています。
齋藤は、暮らしの中でささやかで特別なことを見つけて撮影しています。
濱田祐史(はまだ ゆうじ)
展示風景より、〈Primal mountain〉2011-2019年 発色現像方式印画
こちらの作品、ただの風景写真ではありません。
実は、アルミ箔から山の形を作り、それを屋外の空を背景に撮影しているのです!
見た人によって変化するさまざまなイメージを利用し、見ている情報と目の前にある現実とのギャップを表現しています。
八木良太(やぎ りょうた)
展示風景より、 《On the Retina(E1),(Y),(E2)》〈On the Retina〉より 2019年 発色現像方式印画
こちらは特定の色覚を持つ人にだけ見える、色覚検査表のパターンを応用して作られた作品です。
赤緑色覚異常のある人は、この作品のグラデーションを細かく見分けられるそうです。
ひとつのものが、全員に同じように見えているわけではありません。
八木の作品はどれも、鑑賞者が意識して見ることによって見え方が変わります。
作家は日常や個人的な関心から、それぞれの宇宙を模索しています。
他人の宇宙を理解しようとすると、自分との「ズレ」や「わからないこと」が生じます。
そしてそれは、私たちに新しい視点を与えてくれるのです。
新進作家たちの表現、一度見るともっと知りたくなりますよ!
Information
展覧会名:至近距離の宇宙 日本の新進作家 vol.16
会場:東京都写真美術館 2階展示室
会期:2019.11.30〜2020.01.26
詳細:https://obikake.com/exhibition/6612/
・お正月1月2日、3日および開館記念日の1月21日は観覧無料
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OBIKAKE gifts
本展の招待券を5組10名様にプレゼント!
〆切は12月23日23:59まで!
Editor | 三輪 穂乃香