展覧会レポート
2020.1.21
暮らしに最適な名品が集結!
日本のモダンデザインを紹介する展覧会
パナソニック汐留美術館にて「モダンデザインが結ぶ暮らしの夢展」が開催中です。
本展は、ドイツ人建築家ブルーノ・タウトを中心に、日本のモダンデザインを模索したデザイナーたちの、多彩な作品資料約160点を紹介するものです。
展示品は工芸品から家具、模型、建築図面、写真などさまざまです。
その中でも特に注目したいデザイナーと作品をご紹介します。
ブルーノ・タウトの洗練されたデザイン
ブルーノ・タウトは1933年、日本インターナショナル建築会の招待で来日します。
それまでもドイツで建築家として活躍していた彼は、日本初の国立デザイン指導機関であった商工省工芸指導所の顧問になり、剣持勇(けんもちいさむ)ら多くのデザイナーに指導をしました。
展示風景
近代産業と科学の発展により大量生産が可能になったことで、それまでの装飾の多かったデザインから、スタイリッシュで機能美を追求したものが生み出されるようになります。
タウトは日本にいた3年半、仙台や高崎で工芸のデザイン指導や執筆活動をおこない、日本の知識層に大きな影響を与えたのです。
剣持勇の「ジャパニーズ・モダン」
戦時中は素材と代用品の研究をする技術官僚、敗戦後は進駐軍の家族住宅用家具の生産にたずさわった剣持。
インテリアデザインに日本素材を取り入れるなど、挑戦的な顔も持っていました。
上:剣持勇《柏戸椅子T-7165》1961年、松戸市教育委員会蔵 下:剣持勇《スツール》1961年、松戸市教育委員会蔵
剣持を代表する木を使った椅子。民具を愛し、デザインを愛した剣持の思いがうかがえます。
彼の作品は、ただの「日本趣味」にとどまることなく、ジャパニーズ・モダンのスタイルを確立しました。
ヤクルトの容器をデザインしたのも剣持なんですよ!
イサム・ノグチの美しいあかり
日本人の父とアメリカ人の母のあいだに生まれたイサム・ノグチは、両国の間で自分のアイデンティティを探りながら、幅広いジャンルの作品をのこしました。
その中でも1950年代前半の、日本での制作活動を紹介。
展示風景より、イサム・ノグチ〈あかりシリーズ〉
こちらのあかりシリーズは、彼の代表作のひとつです。
1930年代前半から、「ルナー彫刻」*を手がけていたノグチが、和紙と竹を使った照明彫刻にしました。
岐阜で岐阜提灯に出会ったことから着想を得たそうです。
*内部に照明を使用した彫刻のこと。
機能美をもったモダン・デザインとを、日本の暮らしや風土になじませようとした人と、新しい上質な暮らしを夢見た人の模索を是非楽しんでください。
展示風景
Information
展覧会名:モダンデザインが結ぶ暮らしの夢展
会場:パナソニック汐留美術館
会期:2020.01.11〜03.22
詳細:https://obikake.com/exhibition/5835/
OBIKAKE gifts
本展の招待券を5組10名様にプレゼント!
〆切は2月16日23:59まで!
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Editor | 三輪 穂乃香
今でこそ「和モダン」という言葉がありますが、それの基礎を作ったすごい人達の展示です。たのしかった!