花巻温泉にて 1957年
山頂を目指す老婆たち 1962年
縄文土偶 1956年
岡本太郎は「日本とはなにか」を問いつづけた人でした。
日本で闘うことを決意してパリから戻った太郎は、1951年11月に運命の出会いを果たします。上野の東京国立博物館でぐうぜん眼にした縄文土器です。 獲物を追い、闘争する狩猟の民がもっていた原始のたくましさと豊かさ、ふつふつとたぎる生命力、見えない力と対話する呪術の精神……。わびさび型の日本の伝統美とは真逆の美意識を見出した太郎は、これこそが“ほんとうの日本”なのだと直観します。
それから5年あまり。日本文化の本質をさがす旅に出た太郎は、最初に訪れた東北で“呪術の心”が息づく「原始日本」と遭遇します。貧しく閉ざされた冬の東北で、原日本の片影に触れたのです。
2年後の1959年には返還前の沖縄を訪問。そこで太郎が見たものは、現代人がどこかへ押しやってしまった日本でした。清冽に生きる沖縄の人々に、日本人の、そして自分自身の根源を見たのです。嬉しかったにちがいありません。 縄文〜東北〜沖縄とめぐる太郎の旅は、オリジナルの日本、忘れられた日本、すなわち「ほんとうの日本」を発見する旅でした。 本展は、太郎が自ら撮影した写真を元にこの旅を追体験するものです。
粛とした空間に流れるのは、ジャズベーシスト須川崇志によるオリジナル曲。岡本太郎の眼がとらえた“ぶ厚く豊かな日本”をどうぞご覧ください。
日本の原影
2019.10.30~2020.02.24
開催終了
10:00~18:00(最終入館17:30)
火曜日(祝日の場合は開館)、年末年始(12/28~1/4)及び保守点検日
一般 650円(550円)、小学生 300円(200円)
※( )内は15人以上の団体料金
岡本太郎記念館
〒107-0062 東京都港区南青山6-1-19
03-3406-0801
【東京メトロ】
銀座線・千代田線・半蔵門線「表参道」駅より徒歩8分
【都営バス(渋88系統)】
新橋駅前行・渋谷駅前行「南青山六丁目」下車徒歩2分