展覧会レポート

VOCA展2020
現代美術の展望─新しい平面の作家たち─

2020.3.13

若手アーティストの「現在」の表現とは

恒例のVOCAが今年も上野にやってきた!

 

上野の森美術館にて「VOCA展2020」が開催中です。

 

 

VOCA展は若手作家が「平面作品」の新作を出品する展覧会で、全国各地から未知の優れた才能を紹介しています。

今年で27回目となる本展。受賞作をふくめ、気になった作品をピックアップしてみました!

 

 

VOCA賞 受賞作品はどれ?

 

VOCA展2020 現代美術の展望─新しい平面の作家たち─/上野の森美術館

Nerhol《Remove》

 

Nerhol(ネルホル)はアーティストデュオで、制作の中での(考えを)「練る」と(モノを)「彫る」という意味があるそう。

 

本作は、1969年アメリカの宇宙飛行士のテストプログラム中の動画を作品にしたもので、作家自身ははじめ、この動画を電気椅子や人体実験に関する映像だと誤解していたそうです。

写真や動画を見るとき、そこには映された事実とは異なる解釈が生まれることがあります。

事実と創造、歴史と現在のブレを鑑賞者に問い直しています。

 

 

身近な素材から生まれる1枚の絵

 

VOCA展2020 現代美術の展望─新しい平面の作家たち─/上野の森美術館

立原真理子《御嶽のある風景》

 

こちらは立原真理子さんの作品。身近な“網戸”に刺繍しています。

 

自ら訪れた場所で撮った写真、それを参考にした大量の水彩ドローイングから、限られた要素だけを網戸に刺繍していきます。

鑑賞者に境目やつなぎ目を感じさせながら、風景や空間そのものについて問いかける作品です。

 

 

自身の「体験」を鑑賞者と共有する作品

 

VOCA展2020 現代美術の展望─新しい平面の作家たち─/上野の森美術館

木村宙《TYPE64 7.62×51mm NATO~銃ハ撃ッタコトガアルガ、人ハ撃ッタコトハナイ~》

 

こちらは木村宙さんの作品。

海上自衛隊に所属していた時に、射撃訓練を体験したことが反映された連作で、「実際に人を撃ったら、撃たれたらどうなるか」を問うものです。

 

作家はその問いを鑑賞者と共有するため、老若男女の衣服を用い、なんと一部を持ち帰り可能としています。

 

VOCA展2020 現代美術の展望─新しい平面の作家たち─/上野の森美術館

私も1枚もらって帰りました。聞くと、毎日補充されるそうです!

 

作品タイトルは銃と弾薬の名称からとったもので、服にプリントされた的の痕跡は、作家が射撃して当たった位置を表しています。

 

 

さまざまな手法の「平面作品」が出品される本展。

写真に映像に絵画など、見ごたえ抜群ですよ。会期が3月30日までと短いので、早めにお出かけくださいね!

 

VOCA展2020 現代美術の展望─新しい平面の作家たち─/上野の森美術館

 

Information

展覧会名:VOCA展2020 現代美術の展望─新しい平面の作家たち─

会場:上野の森美術館

会期:2020.03.12〜2020.03.30 03.27

※新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、3月27日で閉幕となりました。

 

詳細:https://obikake.com/exhibition/10192/

 

OBIKAKE gifts

本展の招待券を5組10名様にプレゼント!

〆切は3月17日23:59まで!

応募フォーム応募は締め切りました

 

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Editor  三輪 穂乃香

お持ち帰りしたTシャツはどこで着ようかな(笑)。

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