展覧会レポート

【特別展】 桜 さくら SAKURA 2020  ―美術館でお花見!―

2020.3.19

日本を象徴する花として愛される「桜」がテーマ!

絵画で桜の名所が楽しめる展覧会

 

山種美術館で「【特別展】 桜 さくら SAKURA 2020  ―美術館でお花見!―」が、開催されています。

 

 

本展では、明治から現在までの近代・現代日本画を中心に約1800点を所蔵する、山種コレクションの中から、日本人の美意識と深く結びついた「桜」を描いた約50点の作品を紹介!各画家の個性豊かな桜の表現が楽しめます。

 

 

第1章 桜とともに

 

今も昔も桜を見るとついしたくなるお花見。庶民にも身近なものとなったのは、江戸時代からといわれています。この章では、人と桜の関わりに焦点を当てた作品が紹介されています!

 

大正~昭和にかけて活躍した画家、土田麦僊(つちだ ばくせん)の《大原女》は、頭に荷物を乗せて売り歩く女性たちを描いた作品。本作を描くために麦僊は、奈桜の名所である吉野(奈良県)と大原(京都府)の里に複数回滞在したといいます。

 

土田麦僊《大原女》1915(大正4)年 山種美術館蔵

 

最近はネイルにも使われている胡粉(ごふん)を盛り上げて表現された桜は、桃山時代の絵画の影響があるとされています。その一方、大原女の描写には、ルノワールやセザンヌなど西洋絵画への意識を感じさせます。

 

*胡粉:日本画に使う白色絵具で、岩絵具(いわえのぐ)の一種。

 

「骨身をけずる思い」と作画の苦労を語った麦僊。本作は自信作とも。間近で見ると筆の力に圧倒されます!

 

第2章 名所の桜

 

日本には桜の名所や歴史ある銘木が各地にあり、春になると国内外問わず数多くの観光客が訪れます。この章では、祇園や醍醐などの京都の桜から、桜の名所として有名な吉野などを描いた作品が展示されています。

 

橋本明治《超湯桜》1970(昭和45)年 山種美術館蔵

 

本展のメインビジュアルにも採用されている、橋本明治の《朝暘桜》は、福島県三春町の「三春滝桜(みはる たきざくら)」の写生をもとに描かれました。この滝桜は、樹齢1000年越えの日本三大桜の一つです!

 

朝日に映える桜のイメージを、金砂子(きんすなご)で表現し、このタイトルがつけられました。もこもとした満開の桜がとてもかわいらしいです。

 

*金砂子:金箔を粉にしたもの。絵画や蒔絵(まきえ)などに使用される。

 

第3章 桜を描く

 

(左から)渡辺省亭《月に千鳥・桜に雀・紅葉に小鳥》のうち「桜に雀」 20世紀(明治―大正時代) 山種美術館蔵/西郷孤月《月・桜・柳》のうち「桜」 明治34年頃 山種美術館蔵

 

左側は、明治から大正時代に活躍した画家、渡辺省亭の作品です。《月に千鳥・桜に雀・紅葉に小鳥》の3幅対の掛け軸の花鳥図のうち、春の様子を描いた「桜に雀」が展示されています。

 

中央に描かれた愛らしい3羽の雀は、外見的な特徴や表情がリアルにとらえられているので、ぜひ近くで見てみてください!

 

会期中、きもので来館された方は団体料金で入場可能(一般1,100円、大高生900円)!この機会に、きものを着て美術館でお花見を楽しんでみては?

 

 

展示風景

 

information

会場名:山種美術館

展覧会名:桜 さくら SAKURA 2020 ―美術館でお花見!―

会期:2020.03.14〜05.10

※4月4日から当面のあいだ臨時休館。詳しい情報は、美術館公式サイトをご確認ください。

開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)

休館日:月曜日(ただし、5/4(月)、5(火)、6(水)は開館、5/7(木)は休館)

料金:一般 1,300円、大高生 1,000円、中学生以下無料

展覧会詳細ページ:https://obikake.com/exhibition/8724/

公式サイト:http://www.yamatane-museum.jp/

 

OBIKAKE gifts

本展の招待券を5組10名様にプレゼント!

〆切は4月08日23:59まで!

応募フォーム

 

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Editor  静居 絵里菜

【編集後記】美術館で楽しむ桜もなかなか風流でした!風で散らないのがいいですね(笑)

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