展覧会レポート
2020.7.29
今注目の1970年以降生まれの作家12人を紹介
これからの「日本美」を考える展覧会!
パナソニック汐留美術館で、「特別企画 和巧絶佳展 令和時代の超工芸」が開催中です。
作品展示風景
映像やデジタル技術を活用した表現が増えている現代で、作家の手によって生み出された表現が改めて注目されています。
本展では、日本の美意識に根差した工芸的な作品とともに、今もっとも注目されている1970年以降に生まれた12人の作家を紹介。
これまで受け継がれてきた日本の手仕事の可能性を考える展覧会です。
ここでは、おびかけ編集部が気になった作品をピックアップして紹介していきます!
レディー・ガガも愛用した、最先端ファッション!
展示風景
舘鼻則孝(たてはなのりたか/1985年~)が作り出した”Heel-less Shoes”は、世界的に有名な歌手であり、女優のレディー・ガガが愛用したことで知られています。
”Heel-less Shoes”は、花魁(おいらん)の高下駄から着想を得たといいます。
舘鼻則孝《Floating World》2014 作家蔵
本作は、牛革製で作られたげたです。金彩を施した表面全体に七宝文(しっぽうもん)を配し、鼻緒と鈴は真ちゅうで作られています。
本物の金魚が泳いでいるような作品
深堀隆介《四つの桶》2009 台湾南投毓繡美術館、台湾
深堀隆介(ふかほり りゅうすけ/1973年~)の作品は、まるで本物の金魚が桶の中で泳いでいるかのように見えます。
器の中に透明な樹脂を流し込み、その表面にアクリル絵具で金魚や水草を少しずつ描いていき、またその上から樹脂を重ねる・・・それを繰り返して作られています。根気のいる作業ですね!
この作業を繰り返すことで絵が重なり合い、よりリアルなものになるそうです。波紋など本物と区別がつかないほどリアルなので、ぜひ近くで見てみてください!
どんな「いきもの」に見えるかな?
佐合道子《玉華蓋付飾壷》2017 作家蔵
佐合道子(さごう みちこ/1984年~)の作品は、海の中の生物をモチーフにしたように見える作品ですが、実は海と山の生物を巧みに組み合わせて作られています。
ものごころついた頃から草木や石、貝がらなど、身の回りの自然物を収集・観察をしていた佐合。現在は、「いきものらしさ」を陶器で表現することをテーマとした作品を制作しています。
(左から)佐合道子《とこしえ》2018 作家蔵/佐合道子《Decoration Fetishism-go back to the basics》2009 作家蔵
本展は全作品、一般の方も写真撮影OKです!(撮影の際は美術館の指示に従ってください。)
撮影した写真を「#和巧絶佳展」「#わこうぜっか展」「#パナソニック汐留美術」のタグをつけてSNSでシェアしてみては?
information
展覧会名:特別企画「和巧絶佳展 令和時代の超工芸」
会場名:パナソニック汐留美術館
会期:2020.07.18〜09.22
開館時間:10:00〜18:00、9/4は~20:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日:7/22、8/12~14、8/19、9/9、9/16
料金:一般 1,000円、65歳以上 900円、大学生 700円、中・高校生 500円、小学生以下無料
展覧会詳細ページ:https://obikake.com/exhibition/6740/
公式サイト:https://panasonic.co.jp/ls/museum/
※感染症対策が実施されています。また、開館時間等に変更のある可能性がございます。来館前に必ず美術館公式サイトをご確認ください。
★その他の展覧会レポートはコチラ
Editor | 静居 絵里菜
【編集後記】出品作品はそれぞれに日本美の行方を予感させるものばかり。深堀隆介さんの作品が特にお気に入りでした。