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秋の展示も見ごたえバツグン!たばこと塩の博物館をレポート♪

2020.9.18

たばこと塩の博物館で「見て楽し 遊んで楽し 江戸のおもちゃ絵」が開催中です。

 

たばこと塩の博物館 見て楽し 遊んで楽し 江戸のおもちゃ絵/展覧会レポート

 

おもちゃ絵は、江戸から明治にかけて作られた、子ども向けの浮世絵のことです。良く知られた昔話やゲーム、図鑑のような物尽くしまで、沢山の種類があります。

おびかけ編集部も本展を取材してきました! 今回はその様子をレポートします♪

 

江戸時代、木版印刷技術が急速に進化しました。それにより、庶民も出版物を簡単に手にできるようになります。

おもちゃ絵は、19世紀なかばに全盛期を迎えますが、18世紀ごろから多くの子ども向け出版物が作られていました。

 

たばこと塩の博物館 見て楽し 遊んで楽し 江戸のおもちゃ絵/展覧会レポート

《折り変わり絵》18世紀前半 たばこと塩の博物館蔵

 

こちらは折り変わり絵と呼ばれるもので、表と裏どちらの面にも印刷がされています。線に沿って折っていくと、顔やポーズ、持ち物が変わる、面白い仕組みの絵です。

描かれた人物の髪形や摺り色などから、18世紀前半のものと考えられているそう。

 

19世紀になると、種類豊富で色とりどりのおもちゃ絵が作られるようになります。その種類は昔話、物尽くし、すごろくにカルタなど、数えきれないほど!

 

たばこと塩の博物館 見て楽し 遊んで楽し 江戸のおもちゃ絵/展覧会レポート

歌川国芳《准源氏教訓図会 絵合》天保14~弘化元年 個人蔵

 

こちらは美人と子どもがおもちゃ絵で遊ぶ様子を描いた作品。床には役者絵や、ハサミで切り抜かれた物尽くしなどが散らばっています。

そして作者は、なんと幕末の名浮世絵師・歌川国芳

無名の浮世絵師だけでなく、有名絵師たちもモチーフにとりあげていたおもちゃ絵。庶民の生活にとって、それほど身近な存在だったのかもしれませんね!

 

物尽くしは、同じジャンルのものを一枚に集めて描いたおもちゃ絵で、19世紀もっとも多く作られました。

見て楽しいだけでなく、物の分類や名前を知ることができる図鑑のような役割も持っています。

 

たばこと塩の博物館 見て楽し 遊んで楽し 江戸のおもちゃ絵/展覧会レポート

二代歌川広重《新板手遊尽し》弘化4年~嘉永3年 個人蔵

 

こちらはおもちゃの物尽くし。名前も入っているので、当時の子どもたちの遊びについても知ることができます。

たこやたいこなど、現在でもおなじみのおもちゃが沢山登場します。ぜひ見つけてみてくださいね。

 

物尽くしおもちゃ絵の中でも、おびかけ編集部のお気に入りはコチラ!

 

たばこと塩の博物館 見て楽し 遊んで楽し 江戸のおもちゃ絵/展覧会レポート

二代歌川広重《福徳鼠の娵入》弘化4年~嘉永3年 個人蔵

 

どうぶつを擬人化した作品です。こちらはねずみの嫁入りを描いたもので、線に沿って5つに切り、横につなげると、立派な嫁入りの行列になるんです!

細かい描き込みとかわいらしいモチーフ、じっくり鑑賞しちゃいました。

 

子ども向けの昔話は、それまでも絵本の形で作られていましたが、次第に1枚摺りで出版されるようになります。

 

ばこと塩の博物館 見て楽し 遊んで楽し 江戸のおもちゃ絵/展覧会レポート

歌川国周《舌切雀》19世紀後半 たばこと塩の博物館蔵

 

こちらは有名な昔話『したきりすずめ』を題材にしたものです。文字がないことから、親が絵を子どもに見せながらお話をきかせたことがうかがえます。子どもが好きなオバケも登場しますよ!

 

おもちゃ絵には、切り抜いて組み立てることを前提にしたものが多くみられます。今でも、雑誌の付録などで見かけるのではないでしょうか。

当時のものはあまり親切な説明はなく、想像しながら組み立てることも多かったそうです。

 

たばこと塩の博物館 見て楽し 遊んで楽し 江戸のおもちゃ絵/展覧会レポート

歌川貞重《宴会の図》弘化頃 たばこと塩の博物館蔵

 

こちらは廻り灯籠(まわりとうろう)と呼ばれるもの。上部に風車をつけ、中にろうそくを灯すと、上昇気流で中の影絵がゆっくりと回るように仕かけた灯籠です。

《宴会の図》では、1階と2階の座席で踊り騒ぐ宴会が繰り広げられています。組み立てた灯籠は、展示室で観ることができますよ。

 

江戸時代は、すごろくにカルタ、福笑いに目付絵など、多くの紙のゲームがありました。大きさ、テーマもそれぞれ違い、袋付きで売り出されたものもあったそうです。

 

たばこと塩の博物館 見て楽し 遊んで楽し 江戸のおもちゃ絵/展覧会レポート

二代歌川広重《新板鳥さし双六》弘化はじめ 個人蔵

 

こちらは当時よく見られた飛び双六というもので、サイコロの目の数でコマを進めるのではなく、マスに記された指示に従ってコマを動かします。マスに指示のない目が出た場合はコマを動かすことができず、ゴールまでに時間がかかったそうです。

 

おもちゃ絵を通して、浮世絵を身近に感じられる本展♪

実際に観て楽しむのも良いですが、お出かけが難しい場合もあると思います。そんな方のために、たば塩から印刷して遊べるおもちゃ絵を3種類プレゼントです!

 

(左から)

「昔咄かちかち山」歌川芳藤 安政4年(1857) 個人蔵

8枚に切り分けて順にはり合わせると、小さな絵本を作ることができます。

ダウンロードはこちら!(PDF形式)

「福笑い」歌川芳員 嘉永4〜5年(1851〜1852) 個人蔵
切り抜く前の福笑い。右側の目口鼻などのパーツの下の部分は、袋にして、お福の顔やパーツを保管できるようになっています。

ダウンロードはこちら!(PDF形式)

「かつらつけ(団十郎と福助)」歌川芳虎 安政元年(1854)個人蔵
鏡の前で化粧をしようとする役者が上下に2人、左側にそれぞれに当てる鬘(かつら)が描かれています。

ダウンロードはこちら!(PDF形式)

 

おうちで気軽に、昔ながらの遊びにふれられますよ。親子三世代でやってみても盛り上がりそうです!ぜひダウンロードしてみてくださいね。

 

会場風景

 

Information

見て楽し 遊んで楽し 江戸のおもちゃ絵 Part1

会場名:たばこと塩の博物館

会期:2020年9月12日~10月18日

開館時間:11:00~17:00(入館は16:30まで)

休館日:毎週月曜日(ただし9/21は開館)、9/23(水)休館

入館料:大人・大学生 100円、小・中・高校生 50円、満65歳以上の方 50円 ※年齢がわかるものをお持ちください。
※障がい者の方は障がい者手帳などのご提示で付き添いの方1名まで無料。
※会期中は団体でのご来館はご遠慮ください。

公式サイト:https://www.tabashio.jp/

※密集を避けるため、入場制限をさせていただく場合があります。 〈新型コロナウイルスに関連した対応について(2020.7.21)〉をご覧ください。
※新型コロナウイルス感染症拡大の状況によっては、開館時間の変更や臨時休館をさせていただく場合があります。最新の開館状況等は、公式ツイッター、お電話、ホームページ等でご確認ください。

 

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Editor  三輪 穂乃香

【編集後記】

廻り灯籠、説明なしで組み立てられる気がしない!(笑)

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