NULL 後藤克芳 ニューヨークだより/展覧会レポート | OBIKAKE(おびかけ)

展覧会レポート

後藤克芳 ニューヨークだより
“ 一瞬一瞬をアートする”

2020.10.23

ニューヨークを舞台に活躍した作家・後藤克芳の回顧展!

身近な題材を”アート”にした作品に注目

 

渋谷区立松濤美術館で、「後藤克芳 ニューヨークだより “ 一瞬一瞬をアートする”」が開催中です。

 

後藤克芳 ニューヨークだより  “ 一瞬一瞬をアートする” 展示風景より

 

後藤克芳(1936~2000)は、ニューヨークを舞台に、現代美術の新しい流れとなったポップアートに取り組み、活躍した作家です。

主に木を使い、スーパーリアリズムという手法で、完成度の高い半立体作品を制作しました。

 

本展では、後藤の故郷である山形県米沢市の「米沢市上杉博物館」の全面協力により、後藤の作品群を一堂に紹介。東京初の大回顧展です!

 

米沢出身のアーティスト!

 

自然豊かな山形県米沢市に生まれた、後藤。

幼少期から絵に親しみ、武蔵野美術学校(現・武蔵野美術大学)の西洋画科に入学しました。

 

後藤克芳 ニューヨークだより “ 一瞬一瞬をアートする” 展示風景より

 

後藤が大学在学中の頃、アートの中心はヨーロッパからアメリカへ移り、かつてのアカデミズムとしての芸術は、リアルで日常的なものへと目を向けるアートへと、大きく変化していました。

 

そうした現代美術に影響を受けた若者たちが、1960年に前衛グループ「ネオ・ダダイズム・オルガナイザーズ」を結成。このメンバーたちは、後藤の大学の同級生や先輩、他大学の友人たちであり、いずれも後に現代アーティストとして活躍します。

 

後藤克芳 ニューヨークだより “ 一瞬一瞬をアートする” 展示風景より

 

1960年代の後藤は、こうした前衛グループと交流を持ちながらも、作風の方向性は異なり、油彩画を中心に作品を制作していました。

 

明確な色彩と描写でバランスのとれた人物像には、後年、後藤が体現した、スーパーリアリズムを象徴するような作風が表れています。ぜひ、ご注目ください!

 

 

ニューヨークでの日々

 


後藤克芳 ニューヨークだより  “ 一瞬一瞬をアートする” 展示風景より

 

後藤は1972年に、ニューヨークでの永住権を獲得、2000年に同地で病没するまで、商業デザインなどで生計をたてながら制作活動をしていました。

さらに、ニューヨークの文化や暮らしを「ニューヨークだより」として、晩年まで日本に向けて紹介し続けました。

 


後藤克芳 ニューヨークだより  “ 一瞬一瞬をアートする” 展示風景より 《Duco CEMENT》1980年 米沢市上杉博物館蔵

 

こちらは、後藤のお気に入りの作品《Duco CEMENT》です。

緑のカエルの胴部分は、アメリカで現在でもポピュラーな接着剤「デュコセメント」の箱。緑と黄色のパッケージが目印で、安価で接着強度も強いものだといいます。

 

こちらは、立体型スーパーリアリズムの初期の作品で、小さな日用品に、ゆるっとした表情のカエルが合わさった、ユニークな作品です!

 

90年代の作品も、前後期に分けて展示

 

50代となった後藤は、ニューヨークの生活を楽しみながら、若者とも積極的に交流し、自分の感性を磨いていました。

 


後藤克芳 ニューヨークだより  “ 一瞬一瞬をアートする” 展示風景より

 

日常にある身近なものを題材に、思いがけない組み合わせやユーモアを交えた作品は、若い頃から一貫し、ていねいに作りこまれています。

これら90年代の多くの作品が、前期と後期で展示替えをしながら紹介されます!

 

前期:10月3日(土)~10月25日(日)
後期:10月27日(火)~11月23日(月・祝)

 

AIDS エイズ・ウォーク

 

ポップアーティストで有名なキース・へリングが、1990年にエイズで亡くなります。

当時、彼と知り合って間もなかった後藤は、大きなショックを受けました。

 


後藤克芳 ニューヨークだより  “ 一瞬一瞬をアートする” 展示風景より

 

後藤は、エイズへの警鐘を鳴らし、寄附金を募るために全米各地で開催された「エイズ・ウォーク」に積極的に参加しました。

それを考える日本へ向けた雑誌や新聞での連載記事でもエイズ問題をとりあげ、作品を数多く発表しました。

 

愛猫のキュートな作品も!

 


後藤克芳 ニューヨークだより  “ 一瞬一瞬をアートする” 展示風景より

 

1996年から1997年にかけて、後藤の作品は猫一色になります。

食道がんで2000年に亡くなる数年前から1年おきに1匹ずつ、あわせて3匹の猫を飼い、家族のように暮らしたといいます。

それぞれ、GIGI、MIMI、KIKIと名付けられた3匹の猫は、今もなお、後藤の作品として生き続けています!

 

後藤は「日常がアートになる」と考え、身近な題材を❝アート❞へ発展させました。

本展は、サブカルチャーや現代アートの発信地となっている渋谷で開催されています!

お近くの方はぜひ足を運んで、体感してみてください。

 

 

information

展覧会名:後藤克芳 ニューヨークだより “ 一瞬一瞬をアートする”

館名:渋谷区立松濤美術館

会期:2020.10.03〜11.23

開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)

休館日:月曜日(ただし、11/23は開館)、11/4(水)

料金:一般500円、大学生400円、高校生・60歳以上250円、小中学生100円

展覧会詳細ページ:https://obikake.com/exhibition/12954/

公式サイト:https://shoto-museum.jp/

※感染症対策が実施されています。来館前に必ず美術館公式サイトをご確認ください。

 

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〆切は11月4日23:59まで!

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Editor  静居 絵里菜

【編集後記】

後藤克芳さんの愛猫の作品コーナーが、特にお気に入りです! とってもかわいかったです。

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