展覧会レポート

Connections―海を越える憧れ、 日本とフランスの150年

2020.11.24

日本とフランスの美術を見比べてみよう!

ラファエル・コランの《眠り》にも注目です

 

ポーラ美術館で、「Connections―海を越える憧れ、 日本とフランスの150年」が開催中です。

 

ポーラ美術館 Connections―海を越える憧れ、 日本とフランスの150年 OBIKAKE 展覧会レポート

Connections―海を越える憧れ、 日本とフランスの150年 展示風景より

 

19世紀後半から20世紀初頭にかけて、日本の浮世絵や工芸品は、モネやゴッホなど、近代を代表する芸術家たちの重要なインスピレーション源となりました。

 

時同じくして、開国を機に欧化政策を進める日本では、多くの芸術家のたまごたちがフランスへ留学しました。

彼らが現地で学んだ美術は、その後の近代日本美術の土台となりました。

 

本展は、ポーラ美術館の西洋絵画日本の洋画コレクションを軸に、日本とフランスの芸術を比較する展覧会です。

また、国際的に活躍する現代アーティストの作品も合わせて展示。異文化への理解や本質、その魅力にも迫ります。

 

今回は、WEB内覧会で担当学芸員さんに、本展の見どころをたっぷりと教えていただきました!
ここでは、そのようすから、編集部オススメの展示をご紹介していきます。

 

 

120年ぶりに公開!

 

ポーラ美術館に収蔵されている、黒田清輝(くろだ せいき/1866-1924)の代表作《野辺》(1907年)。

本作は、黒田がフランスで師事した、ラファエル・コラン(1850-1916)の《眠り》(1892年)の影響を受け、描かれたものだと言われています。

 

ポーラ美術館 Connections―海を越える憧れ、 日本とフランスの150年 OBIKAKE 展覧会レポート

(左)黒田清輝 《野辺》 1907年(明治40) ポーラ美術館

(右)ラファエル・コラン 《眠り》 1892年 芸術家財団、パリ © Fondation des Artistes / Raphaële Kriegel

1900年のパリ万博で、黒田が実際に目にしたとされるコランの《眠り》は、長年所在不明とされてきました。

しかし近年、所在が確認されたのをきっかけに、フランスから《眠り》が初来日

本展で、120年ぶりに公開されるとともに、愛弟子であった黒田の作品との共演を果たします。

 

貴重な機会なので、お見逃しなく!

 

ゴッホと日本の関係とは?

 

ポーラ美術館 Connections―海を越える憧れ、 日本とフランスの150年 OBIKAKE 展覧会レポート

 

日本では、大正から昭和期にかけて、ゴッホは❝西洋美術の巨匠❞とされていました。

 

貧困と苦悩を抱えながらも、美術に身を捧げた天才として、当時の日本人にとても好かれたそう! 日本独自の「ゴッホ神話」が形成されました。

 

森村泰昌《肖像(ゴッホ)》 1985年(昭和60)高松市美術館

 

森村泰昌(もりむら やすまさ/1951-)は、自分の姿をさまざまな芸術家に似せる、セルフポートレートを発表しているアーティストです。

 

1985年(昭和60)、森村が最初に向き合った芸術家は、ゴッホだといいます。

現代の私たちにとっても、ゴッホの自画像は「芸術家のアイコン」として、強く印象付けられていることを物語る作品です。

 

両国の美術に、大きな刺激を与えあった、日本とフランス。

新型コロナウイルス感染症の関係で、海外へ行けない今だからこそ。ポーラ美術館で、異国へ思いを馳せてみてはいかがでしょうか?

 

ポーラ美術館 Connections―海を越える憧れ、 日本とフランスの150年 OBIKAKE 展覧会レポート

Connections―海を越える憧れ、 日本とフランスの150年 展示風景より

 

information

展覧会名:

Connections―海を越える憧れ、 日本とフランスの150年

館名:ポーラ美術館

会期:2020.11.14〜2021.04.04

開館時間:9:00~17:00(※最終入館は16:30)

休館日:会期中無休(展示替えによる臨時休館あり)

料金:大人 1,800円、シニア(65歳以上)1,600円、大高生 1,300円、中学生以下無料

展覧会詳細ページ:https://obikake.com/exhibition/13022/

公式サイト:https://www.polamuseum.or.jp/sp/connections/

 

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Editor  静居 絵里菜

【編集後記】

 

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