展覧会レポート
2021.3.19
圧倒的な風景の数々!
白川義員の写真展開催中
東京都写真美術館にて「白川義員写真展 永遠の日本/天地創造」が開催中です。
展示風景
白川義員(しらかわよしかず)は、国内外で輝かしい実績を残していることで知られる、日本の写真家です。
“地球再発見による人間性回復へ”を基本理念として、10 のシリーズを発表してきた白川。本展は、シリーズ第 11 作目「永遠の日本」と、シリーズ第 12 作目となる最新作「天地創造」の二部構成で作品を紹介します。
現在は第一部の「永遠の日本」が開催中!(4月4日まで)
崇高で美しい日本の大自然を、おびかけ編集部が取材してきました!
展示は名山・名瀑から!
山岳写真家としても名をはせる白川。展示室のはじめは名山・名瀑*の紹介から始まります。
*名瀑(めいばく)・・・滝などの、水が落下している場所。
雌阿寒岳夕照
こちらは北海道の雌阿寒岳(めあかんだけ)をほぼ真北から航空撮影した作品です。
もっとも日の短い季節は、午後4時ごろに日没する雌阿寒岳。日没20分前から山や噴煙が気からオレンジ色に色づき、日没直前はあたり一帯が赤く染まり、一日が終わります。
日没と同時に世界がグレーに反転する、直前の時間をとらえています。
壮大な世界自然遺産・知床
知床五湖は、知床連山を背景に、原生林のなかに位置する5つの湖です。
白川は、知床に何度も足を運び、その豊かな自然を写真に収めています。
展示風景より右、知床四湖
〈知床四湖〉(写真右)は9月に撮影されました。にもかわらず、写された木々はまるで新緑かのように青々としています。
しかし、1か月後には自然の力により、紅葉で赤く染まる。生命の息吹を感じる1枚です。
人々から信仰されてきた神秘的な自然
十三仏と仁王岩残照
青森県・仏ヶ浦にある極楽浜(青森県)のあたりから、太陽が水平線に沈む直前に撮影した1枚。
長年の海の流れによって、異様な形になっている岩々が、神秘的です。
白川は作品解説に、撮影した季節や日時、撮影地点を具体的に示しています。
これは写真ではなく、実際の風景を多くのひとびとに見てもらいたいという、白川の願いです。
鮮やかな大自然を前にしたら、「自然とはなにか?人間とはなにか?」を考えずにはいられないでしょう。
日本人の誇りと魂を復興する一助になりたいという作家の想いが込められた第一部「永遠の日本」。
第二部「天地創造」では、アメリカ西部の砂漠であるザ・ウェーブや、「仙境」と呼ぶにふさわしい中国・武稜源など、近年知られるようになった地域などを紹介します。
60年以上にわたり白川が撮り続けてきた、ダイナミックな風景美。
かつてないスケールと臨場感で満喫してみてはいかがでしょうか?
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白川義員写真展
永遠の日本/天地創造
2021.02.27~2021.05.09
開催終了
東京都写真美術館 3階展示室
第一期 永遠の日本 2021年2月27日(土)-4月4日(日)
第二期 天地創造 2021年4月6日(火)-5月9日(日)
※新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、入場制限などを実施しています。
ご来館のお客さまは、必ずこちらをご確認ください。
Editor | 三輪 穂乃香
【編集後記】
鮮やかな写真の数々、これが実際にみられる景色だなんてすごいなあ。
第二部も行きたい!