Be-dan
2021.4.19
今月のBe-danは、現代アートのコレクターズミュージアム「WHAT」の企画担当者である、中橋アレキサンダーさんと、古後友梨さんにインタビュー!
古後さんと中橋さん ※撮影時のみ、マスクを外していただきました。
お二人は、コレクターの持つ美術品をもとに展覧会を企画し、来館者へ届けるお仕事をされています。
第2回では、開催中の「- Inside the Collector’s Vault, vol.1- 解き放たれたコレクション展」についてお伺いしました。
つづく第3回では、WHATでのアートの楽しみ方について、また、お二人の普段のアートの楽しみ方についてお聞きします!
(第2回はコチラ)
―WHATならではのアートの楽しみ方を教えてください。
古後:美術館に行って作品の解説を読んだり聞いたりすることはあっても、「自分で考える」機会はあまりないと思います。WHATでは、美術作品を購入して所有しているコレクターの方々の生の声や、その方なりの解説に触れられるので、そこから、自分だったらこの作品に対してどう思うかな、どういう作品なら買うかなと考えが広がっていくのではないかと思います。
改めて「自分にとってのアートって何だろう」と考えることのできる、新鮮な時間が過ごせるのではないでしょうか。
中橋:現代アートはどうしても難しいと思われがちですが、実際に自分の生活に取り入れている人たちの考えや意見を知ることで少しでも身近に感じることができるのではないかなと。
美術作品を所有するという概念は日本ではまだあまり馴染みがないので、アートコレクターと聞くとハードルが高い印象を持つ人も少なくないと思います。
WHATでコレクターの生の声を知ることで、アートを身近に置くことの魅力を感じ取っていただければ嬉しいです。
古後:それと、現代アートだけでなく、同じ建物内に建築倉庫プロジェクトによる建築関連の展示もあるのはWHATならではですね。オプションで、600点以上の建築模型を保管・展示している「模型保管庫」の見学ツアーも開催しているので、ぜひ参加していただきたいです!
隈研吾さんや坂茂さんら名だたる建築家の思考プロセスを、保管環境も含めて一気に見られるのは貴重だと思います。
―WHAT周辺には、アートを楽しめる施設がたくさんありますよね。
古後:WHATの並びにある画材ラボ「PIGMENT TOKYO(ピグモン トーキョー)」は、スタッフがアーティストなので、指導を受けながらワークショップに参加することができます。また、道を挟んでWHATの向かい側には「WHAT CAFE」というアートギャラリーカフェがあって、そこでは若手アーティストの作品を購入できます。
WHATでコレクターの方の話を聞いて、自分もアート作品が欲しいなと思ったらWHAT CAFEに行って気に入った作家の作品を買ってみる。
そんな風に天王洲アイルという街を通じてアートに触れる楽しさを知っていただけたらうれしいです。
WHAT CAFE
―ちなみに、お二人は普段どうアートを楽しんでいますか。
中橋:気になればジャンルを問わずいろんな展覧会に行っていますよ。
なかでもインターメディアテクや東京ステーションギャラリーは、興味深い展覧会が多いのでお気に入りです。文化財を活用したミュージアムという点も魅力ですね。
古後:私はジャンルとしては建築が好きで、建築系の展覧会によく行きます。
また、友人のアーティストや、PIGMENT TOKYOのスタッフの作品でいいなと思うものがあったら購入していますよ!
ただ鑑賞するだけでなく、自分なりの考えを持つヒントをくれるWHAT。
ミュージアムで鑑賞したあとは、カフェを楽しめたり実際にアート作品を購入したりできるのも良いですね!
最終回では、お二人のこれまでについてや、WHATで今後挑戦したいことについて詳しくお伺いします。お楽しみに!
(第4回につづく)
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Editor | 三輪 穂乃香
OBIKAKE編集部所属。
Writer | 岩本 恵美