Be-dan
2021.4.26
今月のBe-danは、現代アートのコレクターズミュージアム「WHAT」の企画担当者である、中橋アレキサンダーさんと、古後友梨さんにインタビュー!
古後さんと中橋さん ※撮影時のみ、マスクを外していただきました。
お二人は、コレクターの持つ美術品をもとに展覧会を企画し、来館者へ届けるお仕事をされています。
最終回では古後さんと中橋さんがこれまでされてきたことや、WHATでやりたいことをお伺いしました!
(第3回はコチラ)
―お二人がどういう経緯でWHATに携わることになったのかをお聞かせください。
やはり学芸員資格をお持ちで、研究などをされていたのでしょうか?
古後:大学卒業後、エンタテインメント会社に就職をして、音楽アーティストの方たちと海外事業の立ち上げを行っていました。
仕事はとても充実していましたが、もともとアートが好きでしたし、文化的なものを総合的に発信していくことに興味があったので、寺田倉庫に転職して建築倉庫ミュージアム(現 建築倉庫プロジェクト)などアート関連施設を運営する部署に入りました。そこではプロモーションやイベント企画を務め、2020年の夏に開催した「クラシックホテル展 – 開かれ進化する伝統とその先 – 」の企画・キュレーションを経て、WHATの立ち上げに携わることになりました。
私は学芸員の資格は持っていないのですが、興味と関心を突き詰めてここまで来ているという感じですね。
アートや建築などの文化を身近にするためにはどうすればいいのかを常に考えて、企画やプロモーションに携わっています。
中橋:もともと考古学系が専門で、大学で学芸員の資格を取ったあとは、ペルーの博物館で数年働いていました。その後は、茨城の笠間日動美術館で学芸員として展覧会を企画したのち、イギリスの大学院で文化財保護について研究して、昨年(2020年)から寺田倉庫のアートプロジェクトに参画しています。
参画後はWHATの立ち上げに携わり、施設の管理や展示環境の整備などに図面の段階から参加しています。コレクターさんの作品を預かるということもあり、温湿度などの管理を徹底したり、照明会社と組んでWHATオリジナルの照明を作ったりもしましたね。
―お二人とも来るべくしてWHATに来たのですね!今後、WHATを通じてどんなことをしていきたいですか。
中橋:今後もコレクターさんの意図や想いを軸にした展覧会を作っていくというのは変わりませんし、アートを自由な視点で見られるような提案をしていくことはブレずにやっていきたいです。
古後:同じ施設内に建築倉庫プロジェクトの展示もあるので、現代アートと建築が交じり合うような展覧会にも挑戦してみたいです。
これからも、コレクターや建築家の方々の思いを尊重しながらも、分かりやすく情報発信していくことを大事にしていきたいと思います。
中橋:コレクターの意図を汲んで紹介していくのと同時に、作品のコンセプトなど作家の声もあわせて伝えていきたいですね。その掛け合わせができたら、観ている人たちがアートをより身近に感じられるのではないかと思います。
あとは、寺田倉庫が目指している「アートシティ」の側面にも力を入れたいです。
WHAT CAFEやPIGMENT TOKYOといった周辺施設のアート関連施設と横の連携を図り、アートを通じて街を活性化していきたいですね。
全4回に渡るインタビュー、いかがでしたか?
天王洲アイルは「アート」に触れられるスポットが沢山あります!できたばかりのWHAT、そのこけら落としの展覧会「– Inside the Collector’s Vault, vol.1- 解き放たれたコレクション」展は、5月30日まで開催中です!この機会をお見逃しなく。
次回のBe-danもお楽しみに!
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Editor | 三輪 穂乃香
OBIKAKE編集部所属。
Writer | 岩本 恵美