展覧会レポート
2021.10.6
テーマは「女性像」「パリ」「旅」
パリジェンヌ愛用の化粧道具にも注目です!
Bunkamura ザ・ミュージアムにて「ポーラ美術館コレクション展 甘美なるフランス」が開催中です。
展示風景 左 《エナメル金彩バラ文香水瓶》19世紀後半、右 ピエール・オーギュスト・ルノワール《レースの帽子の少女》1891年
みなさんは、フランスときいて何を思い浮かべますか?
本展では、箱根・仙石原にあるポーラ美術館の西洋絵画コレクションのなかから、印象派~エコール・ド・パリ(*)の時代にかけてフランスで活躍した画家たちの絵画作品74点が出品されています。
会場では、モネ、ルノワール、セザンヌ、ゴッホなどの人気画家たちの絵とともに、パリジェンヌのためにつくられた化粧道具12件も紹介!
甘やかでエスプリあふれるフランスらしい美を堪能できる展示となっています。
*エコール・ド・パリ:1920年代、「芸術の都」パリで活動した外国人画家たちの総称。「パリ派」ともいう。主な画家は、イタリア出身のモディリアーニ、ロシア出身のシャガール、ポーランド出身のキスリングなど。
豪華で繊細な化粧道具にうっとり
展示風景 左 ピエール・オーギュスト・ルノワール《髪かざり》1888年、右 ウェブスター社《銀製化粧セット》1900-1905年
本展の特徴は、絵画とともに展示されている化粧道具コレクション!
手鏡やヘアブラシ、コンパクトケースなど、アール・ヌーヴォー(*)からアール・デコ(*)の時代にかけての化粧道具は、上流階級のパリジェンヌがドレッサーに並べて使用していたものだそうです。
この時代には、香料の種類が増えたことによって香水が普及し、さまざまなデザインの香水瓶が作られるようになりました。
会場には、エミール・ガレやルネ・ラリックの手がけた香水瓶も展示されています。
展示風景 左 ピエール・ボナール《浴槽、ブルーのハーモニー》1917年頃、右 《緑色ガラス化粧セット》19世紀後半
同時代の女性を描いた絵と合わせて鑑賞することで、化粧道具がどのようなシチュエーションで使われていたのか、想像が膨らみます!
*:アール・ヌーヴォー:19世紀末から20世紀はじめにかけてヨーロッパで開花した芸術運動。花や植物などのモチーフや曲線を用いた様式は、絵画だけでなく工芸や建築などの他分野へ広がった。
* アール・デコ:1910年代半ばから1930年代にかけて、ヨーロッパを中心に流行した装飾様式。直線的なデザインや幾何学的なモチーフが特徴。
印象派からエコール・ド・パリまで!巨匠たちの描く女性像
展示風景
パリといえば、ファッションの中心地!
時代の象徴でもある女性の姿を、画家たちはさまざまなタッチで描いてきました。
綺麗にお化粧をして着飾っている少女。水浴中の裸婦。抽象的に表現された女性・・・。
多様な「女性像」も、「パリ」「旅」と並ぶ本展のテーマのひとつとなっています。
展示風景 アンリ・マティス《襟巻の女》1936年
「襟巻の女」は、生涯にわたって女性の肖像画を探求しつづけたアンリ・マティスの作品。
女性の首元を飾る襟巻や、背景とスカートの格子模様の印象的な絵からは、自由で開放的なパリの空気が伝わってくるようです。
フランスらしさあふれるパリや南仏の風景画
展示風景
鉄道網の発達とともに、人びとはパリと各地を行き来し、レジャーを楽しめるようになりました。
パリで活動していた画家たちの一部も、自然や陽光を追い求めて、郊外や南フランスへ移り住んで制作に打ちこみます。
晩年はパリ郊外のシヴェルニーに移り住んで、睡蓮の池のある庭を描くことに力を注いだモネ。南フランスのアルルに理想の風景を見出したゴッホ。故郷プロヴァンスの風景を色鮮やかに描きだしたセザンヌなど、パリ周辺や南フランスを描いた風景画も見どころです。
ミュージアムショップには、
甘美なるフランス グッズ
先行販売のスヌーピーとモネのコラボグッズ © 2021 Peanuts Worldwide LLC www.snoopy.co.jp
コミック「PEANUTS」に、モネについて描かれたエピソードが登場します。
PEANUTSと縁のある、クロード・モネの絵画《睡蓮》や《睡蓮の池》とのコラボレーショングッズも先行販売中。
トートバッグやマグカップのほか、会期中も随時アイテムが追加予定とのこと。見逃せないラインナップとなっています!
作品が引き立つよう、展示室の壁紙までも適したトーンに作りこまれた本展。
パリの邸宅にいるような気分にひたりながら鑑賞することができました♪
OBIKAKE gifts
本展の招待券を3組6名様にプレゼント!
〆切は2021年10月19日23:59まで!
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ポーラ美術館コレクション展
甘美なるフランス
2021.09.18~2021.11.23
開催終了
Bunkamura ザ・ミュージアム
Writer | 桐谷きこり
2児の母・兼ライターです。アートやカルチャー、お出かけスポットなどを中心に、“心ときめく場所・人・モノ”についての記事を執筆・発信中!