展覧会レポート
2021.6.22
71歳から106歳まで全員現役!
多様な生き方を多角的に紹介する展覧会です
森美術館にて「アナザーエナジー展:挑戦しつづける力―世界の女性アーティスト16人」が開催中です。
アンナ・ボギギアン《シルクロード》2021年 展示風景
近年、ジェンダー、人種、民族、信条など、ダイバーシティ(多様性)を重視する動きが世界各地に広がっています。
美術界でも、以前は男性の活躍がほとんどでしたが、最近では女性アーティストたちに注目が集まっています。
本展では、16名の女性アーティストに注目し、その活動を紹介。環境や時代、また、美術館やアート・マーケットの評価や流行が移り変わる変化の時代のなか、それらにとらわれることなく独自の創作活動を続けてきた70代以上の挑戦しつづける力に注目です。
参加アーティスト全員が70代以上、キャリアは50年以上!
フィリダ・バーロウ《アンダーカバー2》2020年 展示風景
戦後動乱期の1950年代から1970年代にかけて活動を始め、2021年の現在に至るまで世界各地で制作活動を続ける女性アーティスト16人に光を当てます。
年齢は71歳から106歳まで、彼女たちの50年以上におよぶキャリアを、初期作品から代表作、本展のための新作などを多角的に紹介します。
美術史のさまざまな解釈
カルメン・ヘレラ《赤い直角》2017-2018年 展示風景
グローバリズムが広がり、多文化主義への理解が進むなか、美術の世界でも、それまで欧米を中心に語られていたアートから脱却し、様々な地域の文化や歴史を主題にする作品や、非欧米圏出身のアーティストが注目されるようになりました。また、それまで一元的に捉えられていた美術史は、それぞれの歴史、人種、民族、ジェンダーなどに基づく多元的なものとして理解され始めました。
本展の参加アーティストの活動が注目されるようになった今世紀(2000年以降)に、このアートの潮流が大きく重なります。
作家同士のつながりが見えてくる多彩な展示構成
三島喜美代《作品21-A》2021年 展示風景
本展は、長いキャリアを誇る女性アーティストを網羅的に見せるいわゆる「サーベイショー」とは異なり、アートの国際的動向へ目を向けながらも、各アーティスト独自の作家性、文脈や作品の存在感を提示できる空間スケールを重視しています。
また、全く異なる背景をもつアーティストたちの作品を併置することで、地域や文化圏を超越した視覚的な共通性や類似性を示しつつ、それぞれの作品の背景にある文脈や独自性を浮き彫りにすることを試みます。
絵画、映像、彫刻、インスタレーションにパフォーマンスなど約130点を通して、彼女たちを突き動かす特別な力、「アナザーエナジー」とは何かを考える本展。
世界が未曾有の事態にある今、これら16名のアーティストたちが確固たる自らの信念を貫き生涯をかけて歩み続けている姿は、私たちに困難を乗り越え、未来に向けて挑戦するための力を与えてくれることでしょう。
OBIKAKE gifts
本展の招待券を5組10名様にプレゼント!
〆切は2021年7月9日23:59まで!
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アナザーエナジー展:
挑戦しつづける力―世界の女性アーティスト16人
2021.04.22~2021.09.26
開催終了
森美術館
※本展は、事前予約制(日時指定券)を導入しています。専用オンラインサイトから「日時指定券」をご購入ください。(オンラインでのチケット販売は18:30~19:00の回が最終となります。19:00以降のチケットは、当日窓口にてお買い求めください。)
※専用オンラインサイトはこちら。
※当日、日時指定枠に空きがある場合は、事前予約なしでご入館いただけます。
※最新情報は、美術館のウェブサイトをご確認ください。
Editor | 静居 絵里菜
【編集後記】
71歳から106歳まで! 全員現役アーティストというのに驚きました。