展覧会レポート
2021.6.25
現代日本を代表する建築家・隈研吾の展覧会
隈が考える、未来の都市のあり方とは?
東京国立近代美術館にて「隈研吾展 新しい公共性をつくるための🐱の5原則」が開催中です。
現代日本を代表する建築家のひとりである隈研吾(くまけんご)。
本展では、隈作品のなかでも公共性の高い建築を、隈が考える5原則に分類し、建築模型や写真などを展示。
そのほか、映像作品、美術館の前庭に展示されるトレーラーハウスを合わせ、計74件で隈の世界を紹介します。
隈研吾ってどんなひと?
現代日本を代表する建築家のひとりである隈研吾(1954-)。米TIME誌にて「2019年世界で訪れるべき最も素晴らしい場所100選」に選ばれた《V&Aダンディー》や《国立競技場》の設計に参画するなど、世界中で彼の建築を目にすることができます。
隈は、その土地の環境、文化に溶け込む建築を目指し、ヒューマンスケールのやさしく、やわらかなデザインを提案しており、コンクリートや鉄に代わる新しい素材の探求を通じて、工業化社会の後の建築のあり方も追求しています。
本展の見どころ①:
「人が集まる場所」のための隈独自の方法論を5原則の形で抽出
人間にやさしい建築をつくることを目指している隈。そのために彼がしていることのひとつが木を使うことですが、実際には、木を使うだけでは人間にやさしい建築はできません。
スターバックスコーヒー 太宰府天満宮表参道店 2011
本展では、人間にやさしい建築=人が集まる場所=公共性が高い建築68件を、時系列ではなく、「孔」「粒子」「斜め」「やわらかい」「時間」という5原則に分類して紹介します。
本展の見どころ②:
先端技術を用いた体験展示
ロンドンにあるヴィクトリア&アルバート博物館。その分館がスコットランドの都市・ダンディーにつくられることになったとき、世界の強豪をおさえて設計者に選ばれたのが隈研吾でした。
V&A ダンディー 2018
《V&A ダンディー》を素材に制作されたタイムラプス映像も紹介。
隈たちが設計した建築の「実際」を、本展のために制作された新作映像を通して紐解きます。
本展の見どころ③:
ネコちゃん目線の東京計画2020
丹下健三が前回の東京オリンピック前の1961年に発表した《東京計画1960》は、建築家による都市の未来への大胆な提案として広く知られています。
東京計画2020 ネコちゃん建築の5656原則
この伝説的な案への応答として、隈が制作したのは《東京計画2020 ネコちゃん建築の5656原則》です。2020の部分は「にゃんにゃん」、5656の部分は「ごろごろ」と読みます。
デザイン・イノベーション・ファーム Takramとの協働により神楽坂でのフィールドワークやGPS測定を実施し、そのリサーチの成果を、3DCGやプロジェクションマッピングで展示します。
ほかにも、国立競技場のスタディ模型や照明など、隈が考える未来の都市のあり方を詳しく紹介する本展。
章解説や作品解説は、すべて隈自身によるものです。
コロナ禍というきわめて難しい時代の中で開催される本展が、新しい公共性や未来の都市のあり方について考えるきっかけになりそうです♪
展示風景
OBIKAKE gifts
本展の招待券を5組10名様にプレゼント!
〆切は2021年7月11日23:59まで!
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隈研吾展 新しい公共性をつくるための🐱の5原則
2021.06.18~2021.09.26
開催終了
東京国立近代美術館 1F 企画展ギャラリー
Editor | 三輪 穂乃香
【編集後記】
展示デザインは隈研吾建築都市設計事務所によるものです!