Be-dan
2021.7.5
今月のBe-danは、豊かな色彩が魅力の画家・深澤雄太さんにインタビュー!
東京藝術大学在学中に開催した個展では、全ての作品が数日で完売。今後さらなる活躍が期待されている、注目の油彩画家のひとりです。今回は都内のアトリエにお邪魔して、お話しを伺いました。
深澤雄太さん
※撮影時のみ、マスクを外していただきました。
第1回では、深澤さんが油絵と出会うまでのエピソードをお届けします♪
―こちらの大きな作品、こんなに近くで観ることができて嬉しいです。最近手がけられた作品でしょうか?
はい。2021年3月のアートフェアへ出展するために制作しました。お世話になっているギャラリー、タグボートさん主催のものです。
タイトルは《Blue cocktail》で、大きさはF130号(194cmx162cm)というサイズです。
この大きさは卒展の作品以来、2年ぶりぐらいに描きました。
―制作期間はどのくらいかかりましたか?
もうひとつ、同じサイズの作品を同時並行で制作していて、2点をだいたい3か月くらいで描き上げました。展示する日が決まっていたこともあって、筆がのって結構早かったです。
―その勢いが作品にも現れているようですね。筆の跡が陰影になって、味になっていると感じました。
深澤さんは、子どもの頃から絵を描くのは得意だったのでしょうか?
それがそうでもなかったんです(笑)。
子どもの頃から絵を描くことは好きでしたが、中学まで美術の成績は3でした。どちらかというと、虫取りやドッジボールなど、身体を動かすことが好きな子どもでした。また、小学生の頃から硬式テニスをやっていたので、中学生のときはソフトテニス部に入っていました。
中学3年生の進路を考えるタイミングで、自分がやりたいこと・得意なことって何だろう、と真剣に考えるようになりました。そこで、図工の授業が好きだったことに気づき、高校では少しでも自分の好きなことができる時間が多い方がいいなと思い、造形美術コースがある都立高校へ進学しました。
―造形美術コースというと、予備校にも通うのでしょうか。
学科のテストは国語・英語・数学の3科目だけで、推薦入試では自分の自画像を試験時間内に描いて提出します。一般入試でもデッサンの実技試験がありました。
なので、美術予備校に通って練習を続けながら、学校の美術の先生にも描いた作品を見てもらって、入試の準備をしていましたよ。
―高校に入学されてからは、どのような学校生活を送られていましたか?
美術の授業は、彫刻や油絵、デザインなど、3年間でさまざまなジャンルを経験できました。その中から、自分はこれだ!っていうものを選べた点は、とても良かったですね。
あと、造形美術コースは女子生徒の数が圧倒的に多いので、男子生徒は肩身の狭い思いをしていました(笑)。
はじめは、 “上手い絵”というものに憧れがあって、デザインを志望していました。でも、高校2年生の夏休みに、美術予備校でデザインの講義を受けたところ、目的を効果的に伝える“手段”のようなデザインよりも、キャンバスの中で自由に表現でき、作品を観た人も自由に解釈できるファインアートの方が、自分に合っていると気づきました。
そして高校3年生のとき、初めて授業で油絵を描いてみて、油絵って自由だ!と思いました。ルールにとらわれないというか、何を描いてもいい、自由に動き回れるところが、とても自分にしっくりきました。
美術の成績は普通で、絵も上手くはなかった、という深澤さんのお話はとても意外でした!
もしかすると当時からすでに、個性あふれる作風が際立っていたのかもしれませんね。
第2回では、東京藝術大学に入学後、コマーシャルギャラリーで個展を開催することになったきっかけをお聞きします。
次回のBe-danもお楽しみに!
(第2回につづく)
深澤雄太さんのアトリエ。現在も新作を鋭意制作中とのことです!楽しみですね。
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Editor | 静居 絵里菜
OBIKAKE編集部所属。
Writer | naomi
採用PR・企業広報職、Webメディアのディレクターなどを経て、アート&デザインライターに。
作品と同じくらい魅力的な、作家の人となり・ストーリーも伝えたくて書いてます。
好きなもの・興味関心と守備範囲は、古代文明からエモテクのロボットまでボーダーレスです。