展覧会レポート
2021.7.15
ルールとポジティブに向き合うための展覧会
参加型の展示にも注目です
21_21 DESIGN SIGHTにて「ルール?展」が開催中です。
展示風景
法律や憲法、会社の規則、家族のなかの決まり。私たちは、日々ルールに従って生きており、さまざまなルールが私たちの思考や行動様式を形成しています。
しかしそれらのルールは、未曾有のパンデミックにより、大きな転換期を迎えています。
本展では、私たちがこれからの社会でともに生きるためのルールを、デザインでどのようにかたちづくることができるのか、多角的な視点から探ります。
会場内には参加型の仕かけもいっぱい!すべては紹介しきれませんが、OBIKAKE編集部のオススメをピックアップしました。
まず鑑賞のルールから!
会場内に入る前に、まずは「自分の」鑑賞のルールを決めましょう。
複数のスタンプから2つ選び、会場内ではそのスタンプに従って鑑賞を進めます。どんなルールかは押すまでのお楽しみです!
OBIKAKE編集部は、「きほんてきにえがおでいなければならない」「なにかを禁止するサインがあったらゆびささなければならない」でした。
鑑賞という行為には、規律や法律は存在しません。ですが、「写真・動画撮影NG」「ボールペンは使わない」など、ある程度の制約が存在する場合もあります。
なぜルールを守らないといけないのか? 考えながら、話し合いながら、鑑賞のガイドに沿って展示を楽しみましょう!
ルールをどう適用するか、どう解釈するか?
法律を含むさまざまなルールには、それぞれの「解釈」が存在します。
ルールを誰がどのように読み取るか、によって、その解釈には大きな差が生じるのです。
石川将也+nomena+中路景暁「四角が行く」2021年
この作品は、「ルールに従う存在がどのように見えるか」「ルールへの従い方は必ずしもひとつではない」といったことを、特殊なルールに従順に従う直方体で表現しています。
直方体がさまざまなゲートをくぐり続ける姿は、そこで起こっているルールを読み解きたくなる好奇心を抱かせます。
社会にあるルールをより使いこなしていくために、ルールをひとつずつ知り、物事の見方を変えてみましょう。
モノの価値、お金だけで判断するのか?
私たちは資本主義社会を生きており、何かを買うためにはお金を払わなければなりません。
お店とお客のあいだで、売買契約が成立したとき、その商品の所有権はお金を払ったお客側に移転します。
丹羽良徳「自分の所有物を街で購入する」2011年
この作品は、作家自身の所有物をわざわざ売り場に置くことでいったん「商品」という存在に戻し、貨幣と交換することで再び所有物にするという作品です。
お金を介する経済システムにより商品売買の手間がはぶけたことで、物の本質は無視されていることに気づかされます。
「お金」という存在の信頼がゆらぐとき、私たちは何をもって商品の価値を判断し、何と交換するのでしょうか?
新しい議論の形で自分たちのまちをより良くする?
ルールは、時代に見合ったものである必要があり、デザインすることが可能です。
私たちが生活のなかで見つけた「まちをもっとこうしたい!」を、デジタルの力を使って実現しているのが、シビックテックです。
一般社団法人コード・フォー・ジャパン「のびしろ、おもしろっ。シビックテック」2021年
本作品は、私たちが住むまちやそこにおけるルールや制度を「自分のこと」としてとらえ、私たち自身の手でつくっていくことができるのか、シビックテックのムーブメントとその技術・手法について紹介します。
会場内では、体験ツールも用意されています。
たとえば「ゲームをするのに約束は必要?」「履歴書にテンプレートは必要?」など、参加型民主主義の議論プロセスに参加できます!
さまざまな視点からルールについて取り上げる本展。
私たち一人ひとりが未来をかたちづくる一員として、ルールとポジティブに向き合うヒントをくれそうです♪
OBIKAKE gifts
本展の招待券を5組10名様にプレゼント!
〆切は2021年8月8日23:59まで!
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ルール?展
2021.07.02~2021.11.28
開催終了
21_21 DESIGN SIGHT
Editor | 三輪 穂乃香
【編集後記】
「きほんてきにえがおでいなければならない」「なにかを禁止するサインがあったらゆびささなければならない」
一人だと恥ずかしい!(笑)