array(1) { [0]=> int(19153) } ポコラート世界展「偶然と、必然と、」ー障害のある人、ない人、アーティストの生の表現を世界に解き放つー/展覧会レポート | OBIKAKE(おびかけ)

展覧会レポート

ポコラート世界展「偶然と、必然と、」
ー障害のある人、ない人、アーティストの生の表現を世界に解き放つー

2021.7.20

世界22ヶ国、50名の作家の、240点余が集結

美術の枠組みを超える「生」の表現

 

アーツ千代田 3331にて、ポコラート世界展「偶然と、必然と、」―障害のある人、ない人、アーティストの生の表現を世界に解き放つ―が開催中です。

 

ポコラートとは?

Place of “Core+Relation ART”の略であり、「障害の有無に関わらず人々が出会い、相互に影響し合う場」またその場を作っていく行為を示す名称です。

 

アーツ千代田 3331が開館してから毎年、全国公募やトークイベントを開催しており、今回の世界展はポコラート事業10周年を記念して、独自のリサーチに基づき企画されました。

 

OBIKAKE 展覧会レポート ポコラート世界展「偶然と、必然と、」

 

現在日本では、福祉の分野が主導し、心身に障害のある人々による作品を展示する展覧会が数多く開催されています。

本展はそういった福祉の分野ではなく、芸術・文化の立場から作品の創造性に注目し、力のある作品を厳選して紹介。

ここからは編集部の注目作品を紹介します。

 

 

編集部注目作品

トマシュ・マフチンスキ

 

OBIKAKE 展覧会レポート ポコラート世界展「偶然と、必然と、」

《無題》 2009-2018年

デジタル写真、デジタルフィルムからのインクジェットプリント

38×可変サイズ   ほか展示風景

 

ポーランドのトマシュ・マフチンスキは50年以上に渡り、実在、架空、有名、無名問わず、ありとあらゆる人物に扮し、ポートレートを撮影し続けています。

彼は戦争孤児であり、孤児院で育ちました。慈善事業の一環で文通を重ねたハリウッド女優を実の母と思い込んでいたそうです。あるとき、実の母ではないという真実を知ったことで、自分が何者かを知るためにこのポートレートを始めました。

 

OBIKAKE 展覧会レポート ポコラート世界展「偶然と、必然と、」

《アルバム》 1966-2006

写真、ゼラチン・シルバープリント、写真アルバム

42×31×7cm

 

撮影時はカツラの着用や特殊メイクなどは一切行わず、髪の毛やヒゲを実際に伸ばしたり切ったりと、自らの身体によって全てを体現。一点一点のポートレートは老若男女問わず、同一人物とは思えないほど完成度が高く、模倣する他者の内面までをとらえているようです。

彼は制作を続ける50年以上のあいだに、何人の「私」に出会ったのでしょうか? どれも本当に完成度が高いですが、トマシュ・マフチンスキ渾身の作品を想像して見つけてみるのも楽しいですよ♪

 

 

編集部注目作品②

与那覇 俊(よなは しゅん)

 

OBIKAKE 展覧会レポート ポコラート世界展「偶然と、必然と、」

 

《巨人病院 Ⅲ(恒河新世界)》 2018年

油性ペン、カレンダー、とりのこ用紙

144×840㎝

 

沖縄県出身の与那覇俊。頭の中に浮かぶことを文字や絵にして、365日膨大な量のノートを書き続けています。今回展示しているものだけで、なんと8.5m!

次々と浮かんでくる野望や煩悩、考えなどを脳内実況中継をしているかのようなスピードで書き出し、画面を構成。

 

OBIKAKE 展覧会レポート ポコラート世界展「偶然と、必然と、」

《巨人病院 Ⅲ(恒河新世界)》 2018年

油性ペン、カレンダー、とりのこ用紙

144×840㎝

 

彼の頭の中をのぞき見しているような・・・

色彩やテキストなど細部まで見入ってしまう作品です。

 

 

編集部注目作品③

武田 拓(たけだ ひらく)

 

OBIKAKE 展覧会レポート ポコラート世界展「偶然と、必然と、」

《はし》 2010年

割り箸 230×80×100cm、他5点 ほか展示風景

 

山形県出身の武田拓。彼の勤務先では、使用済みの割りばしを回収しており、その割りばしを牛乳パックに入れて束ねることが業務の1つでした。

毎日勢いよく割りばしを挿していくうちに、牛乳パックからあふれ段ボールへ、さらにその上へとうねりながら蓄積し、気が付けば身の丈を超えるほどに!

2010年の約2か月間この行為に没頭し、その後は割りばしにも、この作品にも興味がないそうです。まさに衝動の痕跡ですね!

 

 

編集部注目作品④

ワンダ・ヴィエーラ=シュミット

 

OBIKAKE 展覧会レポート ポコラート世界展「偶然と、必然と、」

《世界救済プロジェクト》  1995-

5万枚のドローイング、椅子

21×29.7cm(1枚のドローイング)

 

ドイツ、ベルリン出身のワンダ・ヴィエーラ=シュミット。10年間で25万枚以上のドローイングを描き溜めました。本制作は、世界の人々に危害を加える悪と戦うために行われている壮大なプロジェクト!

彼女によると、ドローイングは自身とドイツ国防省にあるようなコンピューターのみが認識できるデータで、世界を救済するために使用されているそうです。

本展に展示されているのは、25万枚で6トンにもなるドローイングの1/10の量。

通常は平和を祈る作品として、ドイツ連邦国防軍軍事歴史博物館に所蔵されています。

 

 

このほか、世界22ヶ国から50名の作家240点余の「美術」という枠にとどまらない創作物を展示する本展。芸術人類学を専門とするキュレーター・嘉納礼奈が、約2年を費やして世界各地のアトリエや施設、機関を訪れキュレーションした創作の数々を鑑賞できます。

 

会期後には、その内17名による約65作品が、パリのポンピドゥ・センターへ収蔵されることが決定しています。

今後海を渡って、日本ではなかなか観られなくなる作品ばかり。お見逃しのないように!

 

また、本展をより楽しめるイベントも開催されます!詳しくは、展覧会公式サイトをご確認ください。

 

OBIKAKE 展覧会レポート ポコラート世界展「偶然と、必然と、」

《Juravenator》  2013年

ミクストメディア 51×40×104cm 

 

人生のハードルをアートという手段で乗り越えた「生涯者」(*)

*:本展内で作家を表す名称。その創造性に敬意を表した表現。

彼らの作品から、新たな視点やきづきが得られることまちがいなし!

作品を通して作家それぞれが考える「わたし」や、「わたし」を取り巻く世界を探求してみてはいかがでしょうか?

 

 

OBIKAKE gifts

本展の招待券を5組10名様にプレゼント!

〆切は2021年8月8日23:59まで!

応募フォーム

 

★その他の展覧会レポートはコチラ

展覧会名

ポコラート世界展「偶然と、必然と、」
ー障害のある人、ない人、アーティストの生の表現を世界に解き放つー

会期

2021.07.16〜2021.09.05

会場

アーツ千代田 3331 1階 メインギャラリー

【毎日更新中!】OBIKAKEをフォローする

Editor | 松栄 美海

【編集後記】

何周でもしたい展覧会でした!館内は作品保存のためかなり涼しいです。

じっくり鑑賞するためにも羽織持参をオススメします♪

この記事をシェアする
一覧に戻る
TOP