展覧会レポート

藝大コレクション展 2021 I 期 雅楽特集を中心に

2021.7.29

竹内久一《伎芸天》を10年ぶりに展示!

藝大と雅楽のつながりも紹介します

 

東京藝術大学大学美術館にて「藝大コレクション展 2021 I 期 雅楽特集を中心に」が開催中です。

 

OBIKAKE 展覧会レポート 東京藝術大学大学美術館 藝大コレクション展 2021 I 期 雅楽特集を中心に高田茂装束店《胡蝶装束》袍、大口、赤大口、天冠、持ち花、羽 明治時代(20世紀)

 

東京藝術大学のコレクションは、前身である東京美術学校および東京音楽学校の時代から130年以上にわたり、収集されてきました。

収集されてきた芸術作品・資料の総数は約3万件を超えています!

 

本展は、Ⅰ期とⅡ期に分けて開催します。

8/22まで開催されるⅠ期では、《伎芸天》や、修復後初公開となる《舞楽屛風》(模本)などの名品を通して、東京藝術大学と雅楽の深いつながりを紹介します。

 

東京藝術大学と雅楽のつながりとは?

 

西洋の音楽が日本に入ってきて間もない明治13年(1880)に、文部省(現:文部科学省)が「西洋音楽の伝習」のために、音楽教育機関「音楽取調掛」を同学内に設置しました。

第一期生として、宮内庁音楽部の楽人たちが洋楽器を学びに入学。彼らは卒業後、明治期の洋楽界をリードする立場となりました。この頃から、雅楽の楽器や楽譜、関連資料などの収集がスタートしたといいます。

 

OBIKAKE 展覧会レポート 東京藝術大学大学美術館 藝大コレクション展 2021 I 期 雅楽特集を中心に重要文化財《浄瑠璃寺吉祥天厨子絵 弁財天及び四眷属》鎌倉時代(1212)

 

本展では、それらの雅楽コレクションの中から、楽器や舞楽装束、絵画などを紹介。また、技芸の守護神「伎芸天(ぎげいてん)」や音楽の女神ともいわれる「弁財天」も展示します。

 

OBIKAKE 展覧会レポート 東京藝術大学大学美術館 藝大コレクション展 2021 I 期 雅楽特集を中心に
(左から)巨勢小石《伎芸天女》明治23年(1890)/竹内久一《伎芸天》明治26年(1893)

 

竹内久一《伎芸天》が藝大コレクション展に出品されるのは、10年ぶりとのこと!

本作は、明治26年(1893)に、アメリカで開催されたシカゴ・コロンブス博覧会に出品された、日本が世界に誇る彫刻作品です。今回は展示ケースを使わずに、背面もぐるりと鑑賞できるように展示されています。

 

背中から腰回りにかけて描かれている鮮やかな文様を、ぜひ間近でじっくりとご覧ください♪

 

藝大コレクションの雅楽

 

OBIKAKE 展覧会レポート 東京藝術大学大学美術館 藝大コレクション展 2021 I 期 雅楽特集を中心に(右から)《鞨鼓》/《太鼓》/《鉦鼓》 いずれも、明治時代以前

 

雅楽の楽器の音色は、神社や寺院の行事、また神前の結婚式などで一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?

 

雅楽の楽器には、鞨鼓(かっこ)、太鼓、鉦鼓(しょうこ)と呼ばれる打楽器のほか、笙(しょう)や篳篥(ひちりき)、龍笛(りゅうてき)などの管楽器、琵琶などの絃楽器があります。

 

OBIKAKE 展覧会レポート 東京藝術大学大学美術館 藝大コレクション展 2021 I 期 雅楽特集を中心に藝大コレクション展 2021 I 期 雅楽特集を中心に 展示風景より

 

今回の展示では、これらの楽器のほか「舞楽を描いた作品」や「雅楽と楽器の演奏図」などの所蔵作品を紹介。絵画、彫刻、工芸作品など約50点を展示し、雅楽と藝大の深いつながりを紐解いていきます。

 

修復後、初公開の作品にも注目!

 

OBIKAKE 展覧会レポート 東京藝術大学大学美術館 藝大コレクション展 2021 I 期 雅楽特集を中心に土佐光信 伝 原作《舞楽屛風》(模本)制作年不詳

 

12枚の紙面いっぱいに23種類の舞楽の演目が描かれた本作は、室町時代から戦国時代にかけて活躍したやまと絵の絵師、土佐光信(1434?-1525?)が制作した《舞楽屛風》の模写だと伝えられています。

修復を終えたばかりの本作を、本展で初披露します!

 

《舞楽屛風》のほか、江戸時代の室内装飾が描かれ、雅楽の楽器と舞楽図が見られる山田於莵三郎(おとさぶろう)の《徳川式室内装飾》の2点が修復後、初公開作品となります。

 

 

 

東京藝術大学と雅楽のつながりについて、貴重な作品・資料で紹介する本展。

8/31から開催されるⅡ期では、第二次世界大戦前の図案科の卒業制作を中心に、当時の図案・デザインについて紹介されます。

 

また、現代社会において芸術が担う新たな役目、可能性を見つけるために立ち上がった「I LOVE YOU」プロジェクトの一環で、「「SDGs×ARTs」展 十七の的(まと)の素(もと)には芸術がある」が、3階の展示室で開催中です!

 

OBIKAKE 展覧会レポート 東京藝術大学大学美術館 「SDGs×ARTs」展 十七の的(まと)の素(もと)には芸術がある「SDGs×ARTs」展 十七の的(まと)の素(もと)には芸術がある 展示風景より

 

「芸術はSDGsに接続できるのか」についてのさまざまな取り組みやプロセスを紹介する展覧会です。ぜひ、藝大コレクション展とあわせてご覧ください♪

 

OBIKAKE gifts

本展の招待券を5組10名様にプレゼント!

〆切は2021年8月5日23:59まで!

応募フォーム

 

 

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展覧会名

藝大コレクション展 2021
I 期 雅楽特集を中心に

会期

2021.07.22~2021.08.22 開催終了

会場

東京藝術大学大学美術館 本館 展示室1

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Editor  静居 絵里菜

【編集後記】

入ってすぐに展示されている《伎芸天》の大きさに、とてもビックリしました!3メートル近くある本作を、展示ケースなしで観られるチャンスです。お見逃しなく♪

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