展覧会レポート
2021.8.19
少女マンガのパイオニア・花村えい子
画業60年を振り返る大規模展
川越市立美術館にて「画業60年のかわいい伝説 花村えい子と漫画」が開催中です。
展示風景
日本を代表するマンガ家・花村えい子(1929-2020)。1959年にデビューして以来、少女マンガ・レディースコミックのパイオニアとして活躍してきました。
本展では、花村のマンガ原画はもちろん、当時の掲載誌等の貴重な資料を展示。
さらに交流のあったマンガ家たちの資料も紹介し、花村作品から花村自身の人柄まで、あますことなく紹介します!
少女漫画のパイオニアとしての花村えい子
花村えい子は、世界中の人びとから愛される“少女マンガのスタイル”をいち早く描いたパイオニアでした。
キラキラの目にカラフルな髪の色などの可愛い少女のイラストは、マンガ作品だけでなく、文房具のキャラクターなどにも起用され、そのイメージは世間に広く知られていきました。
展示風景
また、当時は「恋の物語」がタブーとされていた時代でしたが、花村はそんななか淡い恋心を上品に表現し、次第に「恋」が少女向けマンガのメインテーマとなっていきます。
花村の試みは、その後の女性マンガ家の道を広げることにも繋がったのです。
展示室では、花村の少女マンガ誌時代を、原画や本誌、解説パネルなどで紹介。少女マンガのパイオニアの表現に迫ります!
画業60年!花村えい子のキャリアを紐解く
花村のキャリアは、貸本マンガ家*から始まりました。
その後少女マンガ雑誌へ転身し、誰もが知る有名マンガ家となります。その後は読者層の成長に合わせ、しだいに抒情的なマンガを描くようになりました。代表作はドラマの原作にもなった「霧のなかの少女」や川越を舞台にした「花影の女」などがあります。
*貸本マンガ・・・貸本屋向けに描き下ろされたマンガのこと。当時は本を安価に借りられる貸本屋があり、貸本専門の出版社もありました。
また、古典文学をマンガにしたり、挿絵の仕事など、昨年12月に91歳で亡くなるまで、生涯現役で描き続けました。
万葉集を絵本にしたシリーズは、亡くなる直前まで描かれていたのだそう。
本展では花村の画業を、約140点の原画作品を制作時期に基づいて6つの章に分けて紹介。色彩感あふれる表現力と躍動する少女たちの姿から、妖艶で表情豊かな大人の女性まで、繊細なタッチで表現された数々の作品を鑑賞できます。
少女漫画の歴史と女性像が変わるととともに、手がけた作品や作風の表現が変化していく点にも注目です!
川越だけのお楽しみ!グッズも見逃せません
川越は花村の生まれ故郷であり、川越を舞台にした作品「花影の女」を描くなど、大変関わりの深い土地です。
そんな街で花村の画業を通覧できる本展では、展示だけでなく、地元の施設やショップとのコラボレーションやイベントでも花村ワールドを楽しむことができます。
また、公式グッズも多数用意。ぬりえBOOKやTシャツ、書籍など約60点の品揃えです! オンラインでの販売もあるので、ぜひチェックしてみてくださいね。
通販公式サイト:https://eiko60goods.stores.jp/
OBIKAKE gifts
本展の招待券を5組10名様にプレゼント!
〆切は2021年8月23日23:59まで!
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2021.08.07~2021.09.12
開催終了
川越市立美術館
Editor | 三輪 穂乃香
【編集後記】
少女マンガのパイオニア!かわいらしくて繊細な原画が贅沢でした~~