展覧会レポート
2021.8.18
マンガの奇才・諸星大二郎の大規模展
読者を「異界」へと導く魅力とは？
三鷹市美術ギャラリーにて「デビュー50周年記念 諸星大二郎展 異界への扉」が開催中です。
ロビー風景
諸星大二郎（もろほし だいじろう）は、独自の世界観を持ったマンガ家です。多数の熱狂的ファンをもち、現在でも多様な分野のクリエイター、研究者といった幅広い層から絶大な支持を受けています。
本展では、諸星大二郎のデビュー50周年を記念し、代表作の原画約350点を中心に展示。読者を「異界」へと導く魅力の原点へと迫ります！
唯一無二の画風の秘密！
諸星は、初期のSF作品に始まり、民俗学や人類学、考古学的な要素を含んだ作品、古今東西の神話や伝説・文学を題材にした作品など、幅広いジャンルの作品を世に送り出してきました。
展示風景
不気味な世界を見事に描き上げる諸星の表現力は、誰にもマネできない唯一無二の存在感を放っています。
展示風景
『妖怪ハンター』シリーズ（1974～）は、異端の考古学者と言われる主人公・稗田礼二郎が、さまざまな不思議な事件に遭遇する作品です。
稗田礼二郎は考古学者でありながら、民族学、宗教学、古文書学など幅広い分野に興味を持っており、稗田の学問的関心はそのまま諸星ワールドの広がりと重なる、短編ながらも読みごたえのある作品となっています。
諸星の独自の画風を間近で鑑賞できる本展。カラー原画展示は前後期で全点入れ替えされるので、諸星ワールドを2度楽しむことができますよ！
三鷹でしか見られない！
1995年から連載を開始した短編シリーズ『栞と紙魚子』は、主人公の栞と紙魚子（しみこ）が、ふとしたことをきっかけに、さまざまな事件や異世界に巻き込まれるストーリーで、諸星が”ホラーコメディ”という新たなジャンルを開拓した作品です。
展示風景
本作は架空の町・胃の頭町とその周辺が舞台になっています。
胃の頭町のモデルとなった井の頭線沿線の久我山から吉祥寺界隈は、諸星の散歩コースでもあり、見慣れた実在の景色が作品に登場することがあります。
胃の頭町周辺マップには、井の頭線ユーザーなら聞いたことがあるような地名が並びます。『栞と紙魚子』シリーズをゆかりの地・三鷹で楽しんでみてはいかがでしょうか？
美術作品や考古資料も豊富に展示
本展では原画だけでなく、作者が着想を得た民俗・考古資料や、造形のヒントを得た美術作品も紹介しています。
展示風景
民俗学やアート、西洋の神話、伝説、文学、博物学の分野まで、諸星作品を読み解くには知識がいくらあっても足りないほどです。
「異界」という非日常な世界を描いている諸星作品がどこか現実味を帯びているのは、膨大な知識に裏付けされているからと言えるでしょう。
諸星の壮大なスケール感と、長い時を経て伝えられた作品資料の競演は、諸星独自の「異界」を読み解くヒントになるかもしれません！
諸星大二郎の仕事をあますことなく紹介する本展。
会場入り口には記念撮影コーナーが設置されています！
ロビー風景
『妖怪ハンター』に登場するヒルコさまに変身できます。ぜひ、記念撮影してみてくださいね。
また、会場では諸星大二郎作品に登場するキャラクターの人気投票を行います。
投票された方のなかから抽選で3名様に、諸星先生の直筆サイン色紙をプレゼント！ こちらもぜひお見逃しなく♪
※投票券は入場の際に配布いたします。その他詳細は会場でご確認ください。
※郵送などでの投票は受け付けておりません。
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デビュー50周年記念
諸星大二郎展 異界への扉
2021.08.07～2021.10.10
開催終了
三鷹市美術ギャラリー
※会期中、一部展示替えがあります。
［前期］8月7日(土)～9月5日(日)
［後期］9月7日(火)～10月10日(日)
Editor ｜ 三輪 穂乃香
【編集後記】
展示室には、子どもから大人まで、幅広い年齢層のひとが沢山！
長～く愛される作品なんですね♪
