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2021.8.18
世界遺産と無人島!?
自然と織りなすwithコロナ芸術祭
10月9日から、奈良の奥大和にて「MIND TRAIL 奥大和 心のなかの美術館」、10月30日から、神奈川県横須賀市の猿島にて「Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島」がそれぞれ開催されます。
奥大和の芸術祭は昨年、猿島の芸術祭は2019年に始まったどちらも新しい芸術祭です。
美術館から飛び出し、街や自然の中で現代アートを繰り広げる芸術祭は、作品鑑賞と地域巡りを同時に楽しむことができ、街おこしとしての役割も担えることから、2000年頃より日本各所で取り組まれるようになりました。
しかし、近年はコロナ禍の影響で延期や縮小、中止などが相次いでいます。
本記事では、この状況を覆すwithコロナ型のアートイベントとして開催される、この秋大注目の芸術祭を紹介します!
奈良・奥大和
「MIND TRAIL 奥大和 心のなかの美術館」
奥大和(おくやまと)とは、山岳地帯の奈良県中南部から、高原が広がる東部にかけての地域を総称した言葉です。
芸術祭の舞台となる奥大和は、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」があり、修験道(*)の聖地として長い歴史を持っています。
*修験道:日本古来の山岳信仰をベースに、仏教や神祇信仰、陰陽道が合わさってできた宗教。山伏が信仰し、山岳にこもって修行した宗教としても有名です!
齋藤精一 / JIKU #006 YOSHINO / 撮影:都甲ユウタ
近畿最高峰の山々や涼しい高原、川沿いや世界遺産の中などで開催される本芸術祭は、吉野、天川、曽爾の3つのエリアを最大5時間かけて歩いてめぐり、雄大な自然に包まれながら点在する作品を鑑賞・体験することができます。
木村充伯 / 鹿が見てる / 撮影:都甲ユウタ
Information
名称:MIND TRAIL 奥大和 心のなかの美術館
会期:2021年10月9日(土)~11月28日(日)※ 会期中無休
会場:奈良県吉野町、天川村、曽爾村
入場料:無料
キュレーター:西尾美也、菊池宏子、西岡潔、指出一正
※アーティスト情報やその他詳細、今後の新着情報などは公式サイトをご確認ください。
横須賀・猿島の芸術祭「Sense Island –感覚の島– 暗闇の美術島2021」
猿島は東京湾に浮かぶ唯一の自然島です。
東京湾を守る〝要塞の島〟だった猿島には、かつて砲台が築かれており、一般人の立ち入りが禁止されていました。その結果、貴重な自然や歴史遺産が数多く残り、2015年に「国史跡」に指定された無人島です。
この猿島を舞台とした芸術祭では、我々が失ってしまった自然と共生する”感覚”を取り戻す試みを行います。
人は昔から自然と共生していました。そこから文明が生まれ、文化となり、現在も発展し続けています。
しかしときに人間は、自分たちが生きやすいように環境を強制的に変化させ、自然を滅ぼしてきました。
今の時代は「人間中心」を再定義する時だとも言われています。
本芸術祭では携帯を封印し、暗闇の中で自然、作品、そして猿島の歴史と対峙することで、テクノロジーや時間の概念など、人工的に作ってしまった感覚を取り払い、自分自身と向き合うことを目指します。(齋藤精一 SENSE ISLAND プロデューサー)
hakuten 博展 / prism / 撮影:Naomi Circus
Information
名称:Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島2021
会期:2021年10月30日(土)~12月19日(日)※会期中の金土日および祝日と11月22日 (月)
会場:猿島一帯
入場料:未定(9月初旬発表予定)
※アーティスト情報やその他詳細、今後の新着情報などは公式サイトをご確認ください。
この数年で文明はさらに進化し、またそれによって私たちを取り巻く環境や社会は大きく変わりました。
大自然の中で開催される2つの芸術祭を通して、自分の内なる声に耳を傾け、これからの生き方や在り方についてゆっくりと考えてみてはいかがでしょうか?
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発信元|OBIKAKE編集部