展覧会レポート

日本のパッケージ
縄文と弥生のデザイン遺伝子–複雑とシンプル

2021.8.20

日本のデザインの起源をたどる展覧会

5つのユニークなデザインテーマにも注目です

 

印刷博物館 P&Pギャラリーにて「日本のパッケージ 縄文と弥生のデザイン遺伝子–複雑とシンプル」が開催中です。

 

展示風景

 

「日本のパッケージデザイン」と聞いて、皆さんはどんなデザインを想像しますか?

日本のデザインは、伝統的な風呂敷やのし袋、個性豊かなキャラクターや細かい文様を施したものなど、実に幅広いデザイン性にあふれています。

 

本展では、日本のパッケージデザインを、縄文と弥生の象徴的なデザインを起点に、5つのデザインテーマで分類。

このテーマに沿って、現代のパッケージおよそ140点のデザインから日本のパッケージデザインについて読み解きます!

 

 

日本デザインのルーツ「縄文」と「弥生」

 

“わびさび”のようにシンプルを究極に突き詰めたデザインや、キャラクターや細かい文様が施された装飾的なデザインなど、私たちになじみが深く、海外からも「日本らしい」と言われる日本のデザイン。

複雑とシンプル、両者のデザインの起源をたどると、2つの時代が浮かび上がってきました。

 

展示風景

 

展示は縄文土器弥生土器からスタートします。

複雑で生命力あふれる飾りや文様が特徴的な縄文土器と、生活に使うために機能性を高め、シンプルになった弥生土器。

これらふたつの「デザイン遺伝子」から、現代のパッケージデザインになにが受け継がれてるか考えてみましょう!

 

 

5つのデザインテーマ

 

本展では、日本のパッケージデザインを「美(うつくしい)」「象(シンボル)」「欲(シズル)」「愛(かわいい)」「用(つかう)」の5つのテーマに分類。

 

商品を”パッケージデザイン”という視点で見てみると、実は企業や商品のストーリー、世界観を表現しており、新たな発見があります。

 

展示風景

 

OBIKAKE編集部が気になったカテゴリーは・・・弥生のデザイン遺伝子を受け継いだ「欲(シズル)」です!

 

展示風景

 

シンプルなデザインながらも、色や書体で人間の五感を刺激するように計算しつくされた商品が並びます。

 

「美味しそう!」「買いたい!」と思わせるデザインは、臨場感があり装飾的なものだけでなく、極限まで要素を減らしつつ五感を刺激するものもあります。

縄文と弥生の遺伝子を受けつぐ多様なデザイン表現に注目です!

 

 

伝統的なパッケージにも注目

 

現代のような、商品を売るためのデザインが誕生するよりずっと前から存在する伝統的なパッケージも鑑賞できます。

木・竹・笹・藁など、日本人になじみある素材によるパッケージは、現代でもしっかりと息づいており、現在では日本らしさを演出するアクセントとして、デザインに取り入れられることがあります。

 

展示風景

 

素朴な佇まいでありながら、造形美・機能美のある伝統的なパッケージから、どのようなデザイン遺伝子を見つけることができるでしょうか?

 

また、これらの伝統的なデザインからは、日本ならではの自然へのまなざしや、サステナビリティーとの共通点も感じることができますよ。

 

 

縄文・弥生、どっちを選ぶ?

 

鑑賞後は、縄文と弥生、どちらのデザイン遺伝子を受け継いだパッケージが好きかを選ぶ投票に参加できます!

 

 

鑑賞を進めていくと、自分が装飾的なもの、シンプルなものどちらに惹かれるか分かってくるはず。

縄文か弥生、どちらがお好きですか? ぜひ、自分のお気に入りのパッケージを探してみてくださいね。

 

 

生活に根付いた商品デザインを新たな視点から見つめなおす本展。

デザインについての新たなヒントを得られること間違いなしです!

 

 

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展覧会名

日本のパッケージ 
縄文と弥生のデザイン遺伝子–複雑とシンプル

会期

2021.08.07~2021.10.03 開催終了

会場

印刷博物館 P&Pギャラリー

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Editor  三輪 穂乃香

【編集後記】

身近すぎる商品たち。改めてデザインを見ると計算しつくされてるのだなと驚きがいっぱい!

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