Be-dan
2021.9.27
今月のBe-danは、NPO法人ARDA(アルダ)所属・田辺梨絵(たなべりえ)さんにインタビュー!
田辺さんは、数々の対話型鑑賞会でファシリテーターを務めています。
最終回では、対話型鑑賞以外で行っている活動や今後の展望についてお聞きしました。
(第3回はコチラ)
対話型鑑賞 活動の様子(リアル)
―コロナ禍で、オンラインでのワークショップが増えているかと思いますが、リアルな場でのワークショップとの違いはありますか。
いろいろやってみて、基本的にはオンラインでもワークショップはできるというのが正直な感想です。
画面上では、それぞれ均等な枠の中で参加者が正面を向いているため、誰かの話が聞こえなかったり、表情が見えづらかったりということがありません。全員の顔を見ながら進行でき、物理的な距離の問題でコミュニケーションの質が変わることなく、同じ距離感で話せるというのはオンラインならではの魅力だと思います。
とはいえ、今年の初め、久しぶりにリアルな場でワークショップを行った際、その場で一緒に作品を見る一体感や高揚感はやはりリアルでないと感じられないなと改めて実感しました。
私はつねづね、思考は頭だけではなく体全体で生まれるものだと考えています。可能であるならば、参加者のみなさんが自分の体の中にある思考を一生懸命言葉にしようとしている瞬間の真剣さや、そこから感じられる力強さも、リアルな場で共有しながら場を作っていきたいですね。
―ワークショップだけでなく、最近ではアートカードゲーム「PLAY!たぐコレ」の開発協力にも携わったそうですね。これはどんなゲームですか。
アートカードゲーム「PLAY!たぐコレ」
「PLAY!たぐコレ」は、遊びながら現代アートに親しんでもらおうと、「タグチアートコレクション」の田口美和さんが発起人となり制作されたカードゲームです。
「どんな匂いがしそう?」「そのあと、どうなった?」「どんな魔法が使えそう?」など、作品を観る視点を広げてくれる12種類のトークカードを使いながら、カードに描かれている作品についておしゃべりすることで、気軽に現代アートに触れることはもちろん、普段の会話とは異なるコミュニケーションも楽しむことができます。
たぐコレで遊ぶと、自分や相手の思いがけない思考回路を垣間見ることができるので、ご家族や友人同士はもちろん、教育現場におけるコミュニケーションツールとしてもオススメしたいです。
―まさに対話型鑑賞がカードゲームになったという感じですね。今後はアートを通してどんな活動をしていきたいですか。
対話型鑑賞については、「何かを感じること」、「ありのままの自分で話せること」が最も重要だとお話しましたが、私が人生の中で目指していることにも、大きく違いはありません。
「その人がその人らしく、そのままの状態で社会と関われる」というコミュニケーションの形を、さらに研究していくことが今後の目標です。
その為の手段が「対話型鑑賞」だけでなく、「場づくり」なのか、「新たなワークショップ」の開発なのか・・・。実現する方法を考えていきたいですね!
田辺梨絵さん ※撮影時、マスクを外していただきました。
対話型鑑賞の魅力から、人生の目標に至るまでお話してれた田辺さん。
ほのぼのとした語り口調や雰囲気とは裏腹に、パッション溢れるインタビューでした!
今回のインタビューで気になった方は、是非対話型鑑賞に参加してみてはいかがでしょうか?
次回のBe-danもお楽しみに!
★他のインタビュー記事を読む
『ヨンブンノサン』考案者・丸山琴さん
画家・深澤雄太さん
★その他のインタビュー記事はコチラ
Editor | 松栄 美海
OBIKAKE編集部所属。
Writer | 岩本 恵美