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2021.8.27
緑豊かな東京都庭園美術館で楽しめる
精密で美しいボタニカルアートの世界
東京都庭園美術館にて、2021年9月18日(土)~11月28日(日)まで「キューガーデン 英国王室が愛した花々 シャーロット王妃とボタニカルアート」が開催されます。
「キューガーデン」とは?
「キューガーデン」とは、イギリス・ロンドンにある世界最大級の植物園です。
ユネスコ世界遺産にも登録されており、22万点を超えるボタニカルアートを所蔵し、植物と菌類の科学的分野で世界をリードし続ける研究機関としても知られています。
ボタニカルアートとは?
ボタニカルアートとは、植物学の立場から品種の特徴を正確に、そして美しく描く「植物の肖像画」です。
主に、科学の出版物である薬物誌や植物誌の図版として発達、その後美術的な鑑賞用としても親しまれるようになりました。
本展では、18~19世紀に制作されたキューガーデン所蔵の貴重なボタニカルアートコレクション約100点のほか、シャーロット王妃が愛し、王室御用達となったウェッジウッド社の陶器などを展示します。
本展の見どころ①
細かく描きこまれた約100点のボタニカルアート
シデナム・ティースト・エドワーズ チューリッパ・シルベストリスの栽培品種(ユリ科) 1809年 黒鉛、水彩、紙 キュー王立植物園蔵 ⒸThe Board of Trustees of the Royal Botanic Gardens, Kew
世界中から集めた、美しいボタニカルアートを約100点展示します。色とりどりの花々に囲まれる空間、そして圧倒的な観察眼によって描かれた植物の構造にも注目です。
見慣れた花々にも、新たな発見があるかもしれませんよ!
本展の見どころ②
手彩色が施された貴重な図版
ピーター・ヘンダーソン ロードデンドロン・ポンティクム(ツツジ科) ロバート・ジョン・ソーントン編『フローラの神殿』より 1802年 銅版、紙 個人蔵 Photo Michael Whiteway
手彩色(しゅさいしき)とは、白黒のものに手作業で色を付けることです。
当時の図版制作は、専属の画家が描いた水彩画を元に、輪郭部分を線でなぞった複製を銅版画で制作、その後1点ずつ手作業で着色をするという豪華な作りでした。
本展では、元となった水彩画の原画と、複製した手彩色銅版画を対で展示。比較して観ることで、再現性の高さを実感することができます。
また、図版の中でも『カーティス・ボタニカル・マガジン』のものには特に注目です!本誌は、1787年にロンドンで創刊されて以降、2世紀以上を経た今も刊行を続けている学術誌で、幅広い層から支持を得ています。図版を通して、長い間人気を集める理由も合わせて考えてみてはいかがでしょうか?
見どころ③
王室ゆかりの陶磁器を紹介
ウェッジウッド ポートランドの壺 19世紀(1790年頃完成) ジャスパーウェア(炻器) 個人蔵 Photo Michael Whiteway
シャーロット王妃お気に入りのクイーンズウェアをはじめとした王室ゆかりの陶磁器を紹介します。
17~18世紀における、イギリスの科学と産業の時代に発展の一翼を担った王室。シャーロット王妃がとりわけ保護した、芸術と科学は、自国の産業発展を支える大きな力となりました。
東京都庭園美術館の旧朝香宮邸の空間に美しい植物画の数々を展示する本展。
緑豊かな庭園の中で特別な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか?
キューガーデン 英国王室が愛した花々 シャーロット王妃とボタニカルアート
2021.09.18~2021.11.28
開催終了
東京都庭園美術館(本館+新館)
発信元|OBIKAKE編集部