展覧会レポート

北斎没後 170 年記念 茂木本家美術館の北斎名品展

2019.9.17

北斎名品の数々を一挙公開!

茂木本家美術館の所蔵品とは?

 

 

すみだ北斎美術館では、「北斎没後 170 年記念 茂木本家美術館の北斎名品展」が開催中です。

 

 

千葉県にある茂木本家美術館は、浮世絵に限らず近現代作家の作品などを多岐にわたり所蔵しています。

今回はその所蔵品の中から、北斎の代表シリーズをはじめとした全116点を展示しています。(前後期で展示替えアリ)

 

 

展示は5章で構成されており、浮世絵を観るのがはじめての方でも、北斎作品の魅力を堪能することができます。

 

OBIKAKE編集部おすすめの作品をピックアップしてご紹介します。

 

 

 ― 冨嶽三十六景 ―

 

北斎の代表シリーズ「嶽三十六景」は70歳代で発表されました。世界的にも大人気ですよね。

季節や場所などの違いで見え方の異なる富士を、斬新な構図で見ることができます。

 

葛飾北斎 嶽三十六景 尾州不二見原 天保2年(1831)頃 大判錦絵 前期

 

こちらは、職人が作っている大きな桶の中から富士山が見えます。

丸い桶の中に三角形の富士山を配置する構成で、北斎が幾何学的な構図に関心を示していたことが伺えます。

 

意外性を感じさせたり、奥行きを強調したりするなど西洋画法を応用して計算的に描いていたそう!

ひとつひとつの作品に、発見があるのも北斎の魅力のひとつを言えるでしょう。

 

 

― 諸国瀧廻り ―

 

日本各地の滝を描いたシリーズ「諸国瀧廻り」。

“所変われば品変わる”という言葉のように、周りの岩の構造や水量によって表情が変わる滝の様子を楽しむことができます。

 

(右から)葛飾北斎 諸国瀧廻り「下野黒髪山きりふりの滝」、「東都葵ヶ岡の滝」、「相州大山ろうべんの瀧」 天保4年(1833)頃 大判錦絵 いずれも前期

 

注目したいのは、一番右の作品「下野黒髪山きりふりの滝」。現在でも日光東照宮の近くにあります。

岩間を流れ落ちる水の表現は、同シリーズの中でも強烈なインパクトを持ち、他の浮世絵師にも受け継がれていきます。

 

 

北斎関連コレクション

 

茂木本家美術館では、代表的なシリーズの他にも貴重な北斎作品を数々所蔵しています。

 

葛飾北斎 江都両国橋夕涼花火之図 天明年間(1781-89)以降 大判錦絵 前期

 

江戸有数の盛り場だった両国橋での花火のにぎわいを描写しています。(両国橋、まだありますよ!)

 

 

当時とは姿を変えてしまった風景が多いけど、なじみのある地名で作品を楽しめるのが北斎らしさだなと思います。

なんと言っても茂木本家美術館の所蔵品は状態の良い作品ばかり! 鮮やかな色彩に大注目です!

 

 

 

 

 

展覧会名:北斎没後 170 年記念 茂木本家美術館の北斎名品展

会期:2019.09.10〜2019.11.04

(前期:開催中〜10.06、後期:10.08〜11.04)

開館時間:9:30-17:30(入館は17:00まで)

休館日:9月17日・24日・30 日、10月7日・15日・21日・28日

料金:一般1,200円、大高生・65歳以上900円、中学生400円、障がい者400円、小学生以下無料

展覧会詳細ページ:https://obikake.com/exhibition/120-2/

◎チケットプレゼント

2019年9月30日(月)23:59まで受付!

たくさんのご応募、お待ちしています。

応募フォーム

 

 

Editor  三輪 穂乃香

【編集後記】

尾州不二見原がお気に入りです! 斬新すぎませんか?

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