展覧会レポート
魅惑の印象派
2019.9.18
印象派・ポスト印象派の名品集結
それぞれの作品の物語に注目!
東京都美術館では、「コートールド美術館展 魅惑の印象派」が開催中です。
コートールド美術館 内観
ロンドンのコートールド美術館は、印象派・ポスト印象派の殿堂といわれています。普段はめったに貸し出されない所蔵品が、この度改修工事のため日本へ来日しています!
本展で絶対に見ておきたい画家と作品をピックアップしてご紹介します。
女性の曲線的な美しさにうっとり
ピエール=オーギュスト・ルノワール
ピエール=オーギュスト・ルノワール《桟敷席》1874年 コートールド美術館 © Courtauld Gallery (The Samuel Courtauld Trust) 撮影:山本倫子
舞台鑑賞をしている2人の男女を描いた作品。男性は上を向いて何かを見ており、女性はこちらに目線を向けています。どんな物語があるか、気になってきませんか?
計算された不思議な構図
エドガー・ドガ
エドガー・ドガ《舞台上の二人の踊り子》1874年 油彩、カンヴァス
61.5×46cm コートールド美術館 © Courtauld Gallery (The Samuel Courtauld Trust)
ドガはバレリーナを主題とした作品を多く書いていますが、注目したいのはその構図。本来真ん中に描かれるであろうバレリーナがやや右に配置されており、手が見切れています。
これは、鑑賞者の視線を誘導するための計算であると言われています。リアルな画角が、バレリーナを生き生きと見せています。
非白人を描いたポスト印象派
ポール・ゴーガン
ポール・ゴーガン《ネヴァーモア》1897年 コートールド美術館
© Courtauld Gallery (The Samuel Courtauld Trust) 撮影:山本倫子
ゴーガンが愛した少女テフラを描いたこの作品。視線は窓の外に向けられ、表情はこわばっています。何かを諦めているのでしょうか?また、《ネヴァーモア》というタイトルにも意味が隠されているのでしょうか。
エキゾチックな彼の画風は、当時のパリではなかなか受け入れられませんでした。
晩年の傑作、約20年ぶりに来日!
エドゥアール・マネ
エドゥアール・マネ《フォリー=ベルジェールのバー》1882年 コートールド美術館 © Courtauld Gallery (The Samuel Courtauld Trust) 撮影:山本倫子
アトリエにバーセットを組み、バーメイドを呼んで描いたこの作品には、不自然な構図が隠されています。それを知ることが出来るのがこちらのパネル。
研究機関でもあるコートールド美術館。今回その側面にも注目し、その研究の成果を一部取り入れています。マネが何を思ってこの作品を描いたか、読み解くヒントになりそう!
画家自身の言葉や時代背景、素材・技法などさまざまな視点から印象派・ポスト印象派を知ることが出来るこの秋大注目の展覧会。
巨匠たちの名作を一堂に楽しんでください。
コートールド美術館 外観
展覧会名:コートールド美術館展 魅惑の印象派
会期:2019.09.10〜2019.12.15
開室時間:9:30~17:30 ※金曜日、11月2日(土)は20:00まで(入室は閉室の30分前まで)
休室日:月曜日、9月17日(火)、9月24日(火)、10月15日(火)、11月5日(火)
※ただし、9月16日(月・祝)、9月23日(月・祝)、10月14日(月・祝)、11月4日(月・休)は開室
料金:一般 1,600円、大学生・専門学校生 1,300円、高校生 800円、65歳以上 1,000円
※中学生以下は無料 ※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方とその付添いの方(1名まで)は無料 ※いずれも証明できるものをご持参ください
9月18日(水)、10月16日(水)、11月20日(水)はシルバーデーにより、65歳以上の方は無料。そのための混雑が予想されます。
展覧会詳細ページ:https://obikake.com/exhibition/031/
◎チケットプレゼント
2019年9月30日(月)23:59まで受付!
たくさんのご応募、お待ちしています。
Editor | 三輪 穂乃香
【編集後記】
名品揃いのコートールド・ギャラリーからさらに厳選したなんて贅沢にもほどがある!この秋大注目の展覧会です😘