Be-dan
2019.10.14
90年以上もの歴史を持つ國學院大學博物館。ここ数年で一気に知名度を上げ、大幅に来館者数を増やしています。
インタビュー第2回では、博物館の運営の秘密や、学芸員・佐々木さんが具体的にどのようなお仕事をされているのか、ざっくばらんに語っていただきました!
(第1回はコチラ)
―4年間で来館者が約3倍に増えたとは驚きですね! 来館者を増やすために何かしたのでしょうか?
よく聞かれる質問ですが、何かこれをやったから、ということはありません。小さい努力や工夫の積み重ねが今の形になったと思っています。
展示の内容はもちろんですが、細かいことで言えば、看板を分かりやすくしたり、世の中のニーズに合った広報活動やイベント企画などをたくさん行いました。
また4年前に博物館の体制が変わったことで、異なった分野の研究者と大学スタッフが1つのチームとして博物館を運営するようになったことが大きいと思います。教員や職員同士の良好な信頼関係・コミュニケーションが一番の要因だと考えています。
國學院大學博物館 館内の様子
―仲が良いのは組織にとって非常に強みですね。
気がつくと、展覧会の企画や博物館運営、広報活動などさまざまな面で改善が進みやすくなっていました。企画展も世間の話題やトレンドと、本学での研究成果を組み合わせたものをタイムリーに出せるようになりました!
―大学博物館では珍しい「ミュージアムショップ」も充実していますね。
企画展ごとに制作するようになった「図録」を販売するために昨年オープンしました! 職員の娘さん発案・「勾玉」(まがたま)がデザインされたTシャツや、企画展ごとに先生に選書していただく書籍コーナーなど、みんなのアイデアを持ち寄って制作しています。
同館の資料をモチーフにしたオリジナルグッズが豊富
―本当に何でもこなされるんですね!
4年前の体制変更で学芸員が、博物館のマネジメントに力を入れられるようになりました。博物館は本学の研究成果の発表の場ですので、研究面は各研究機関が主軸となります。なので、それ以外のすべてを担当しています。本当に何でもやりますよ(笑)。
年間の展覧会スケジュールや企画展の企画運営、博物館の施設管理、ミュージアムショップの商品企画、広報活動など、業務範囲は幅広いです。
―大学博物館の学芸員のやりがいは、どんなところですか?
先生方とコミュニケーションを取って、良い展覧会を一緒に作っていける楽しさです。来館者の方に興味を持ってもらえるように、もちろん学術性を保ちながら、わかりやすさに配慮した展示を考えています。
予算には限りがあるので、リーフレットや展示パネルなども自分たちでできるだけ作るようにしています。現場はまだまだ手作りが多いんです。大変ですが、でも本当に楽しいです!
―博物館をより良くするために、取り組みたい課題などはありますか?
今も企画展の解説、
多忙な業務をこなしつつも充実した日々を送っていらっしゃる佐々木さんですが、今の仕事に就くまでに、どんな経験を積まれてきたのでしょうか。次回のインタビューでは、佐々木さんがなぜ学芸員になったのかじっくりお聞きします! お楽しみに。
(第3回へ続く)
information
会場名:國學院大學博物館
展覧会名:企画展「有栖川宮家・高松宮家ゆかりの新収蔵品」
会期:2019.08.31〜10.27
料金:無料
展覧会詳細ページ:https://obikake.com/exhibition/5476/
Writer | 齋藤 久嗣
脱サラして満3年が経過。現在は主夫業とアート系のブロガー&ライターとして活動中。
首都圏を中心にほぼ毎日どこかの展覧会に出没中。日本美術が特に好みです!(Twitter:@karub_imalive)
Editor | 三輪 穂乃香
OBIKAKE編集部所属。