ミュージアムさんぽ
2019.10.25
「おびかけ編集部がゆく!ミュージアムさんぽ」とは
企画展だけではない、ミュージアムの魅力について、編集部がたっぷり取材します!
記念すべき第1回は、すみだ北斎美術館(東京)です。
現代的な建築の美しい美術館。今回はAURORA(常設展示室)に焦点を当てて紹介します!
撮影:尾鷲陽介
葛飾北斎は、1760年・現在の墨田区生まれ。約90年の生涯のほとんどをすみだで過ごしながら、優れた作品を数多く残しました。
「すみだ北斎美術館」は、区民の誇りである偉大な芸術家・葛飾北斎を広く知らしめるとともに、地域活性化の拠点として開館しました。
撮影:尾鷲陽介
どんな所蔵品?
世界有数の北斎作品収集家であり、研究者でもあったピーター・モース氏のコレクションや、墨田区が収集した数々の名品・優品を所蔵しています。
その数は、北斎やその門徒の作品を含め、約1800点もあるそう!
北斎の有名作品を改めておさらいしよう
★「冨嶽三十六景」とは・・・
富士山の見える各地が描かれたシリーズ。富士山がユニークな視点で描かれています。
特に有名なのが、《神奈川沖浪裏》です。
葛飾北斎「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」すみだ北斎美術館蔵
※展示期間は企画展により異なります
★「北斎漫画」とは・・・
北斎が、絵のお手本になるように発行したスケッチ画集のこと。
葛飾北斎「北斎漫画」三編 すみだ北斎美術館蔵
※展示期間は企画展により異なります
どんな常設展?
AURORAと呼ばれる常設展示室は、北斎の生涯をわかりやすく伝える体験型が特徴です。
年代順に代表作を実物大高精細レプリカ(複製画)で紹介しています。
展示は、ゆかりの地「すみだ」とのつながりを紹介する「すみだと北斎」から始まります。
浮世絵界でのデビュー(「習作」の時代)や「冨嶽三十六景」の制作(「錦絵の時代」)など、北斎の画業を詳しくたどることができます。
設置されているタッチパネルでは、コマ送りの『北斎漫画』や、一筆書きの体験、作品の細部を拡大して見ることが出来る4Kモニターなど遊び心が散りばめられています!
その中でも目立つ展示がこちらの「北斎のアトリエ」再現模型。
じっと見てると、北斎の手が動いているような・・・?
関東大震災で焼失してしまった巨大な絵馬『須佐之男命厄神退治之図』の推定復元図も見どころですよ!
気になる質問、美術館の人に聞いてみました!
― なぜ複製画の展示にしたの?
浮世絵をはじめとする日本絵画は熱や光にとても弱く、長期間展示していると作品の状態が悪くなってしまいます。
良い状態で作品を守りつつも、沢山の人に楽しんでもらえるよう、この形をとっています。
― お子さんや外国人でも楽しめますか?
遊びながら体験的に北斎に触れることができるコーナーはお子さんにも人気があります。
タッチパネルは5言語に対応していて、多くの外国からの来館者に好評です。
もりだくさんのAURORA(常設展示室)は、一部を除いて撮影が可能!
知っているようで知らない「葛飾北斎」や「浮世絵」について、バッチリ理解できますよ。
Information
すみだ北斎美術館
開館時間:9:30〜17:30(入館は閉館の30分前まで)
休館日:毎週月曜日(※月曜日が祝日、または振替休日の場合はその翌平日)
年末年始 12/29〜1/1
所在地:〒130-0014 東京都墨田区亀沢2-7-2
公式HP:https://hokusai-museum.jp/
アクセス:
・都営地下鉄大江戸線「両国駅」出口より徒歩5分
・JR総武線「両国駅」東口より徒歩9分
・都営バス「都営両国駅前」より徒歩5分
・墨田区内循環バス「すみだ北斎美術館前(津軽家上屋敷跡)
AURORA(常設展示室)観覧料:
一般 400円(団体320円)
高校生、大学生、専門学校生、65歳以上 300円(団体240円)
未就学児童、小学生、中学生、障がい者手帳をお持ちの方および付き添いの方 無料
Editor | 三輪 穂乃香
美術館の目の前の公園では、元気よく遊ぶ子どもがいっぱい。地域に愛された素敵な美術館です♪