Be-dan
2019.10.21
國學院大學博物館の学芸員、佐々木理良さん。第2回では、お仕事内容について詳しくお聞きしました。
第3回では、実際に博物館で働いている佐々木さんに、「博物館」の気軽な楽しみ方や、ご自身にとっての博物館への思い入れをお聞きしました。
―博物館での鑑賞方法について、初心者にアドバイスはありますか?
博物館ではどこをどのように見ればいいのだろうかと気構えてしまう方が多いと思います。でも、まずは単純に自分の率直に感じることを大切に見ていきましょう。本物を見るという体験自体が大切なんです。たとえばハニワだったら、古代の人が制作した際についた非常に微妙な「刷毛」(はけ)の跡のような細かい部分などは、画像では見えません。サイズ感や、当時の人が触ったであろう質感を想像できるのも、実物を見ているからこそ出来る、楽しみ方の一つですよ。
「生」で観て体験できるというのは、博物館ならではの良さだと思っています。
―確かに博物館に来てみると、画像で見て想像していたものとは全然違っていたりしますよね。
そうなんです。また、博物館に行くという体験は、本を読むことと同じだと思っていて。本を読めばいろんな知識が得られて、勉強になりますよね。博物館も1つ展示を観たら、1冊本を読むのと同じくらいの知識や情報を得られるんです! 本ではなく、マンガが好き、という人は是非、博物館に足を運んでみてくださいね。
古代の人が生きていた時代にタイムスリップしなくても、様々な経験が得られる場所として、博物館は本当にお得だなと思います。
―佐々木さんにとって「博物館」とはどんな場所ですか?
「気持ちをリフレッシュできる場所」です。展示室に入れば、一瞬でその世界観に入ることができるので、日常生活での悩みやストレスを忘れて、切り替えることができるんです。時間があれば、仕事帰りにナイトミュージアムにフラッと立ち寄ったりすることもあります!
―國學院大學博物館の中ではリラックスされたりしますか?
あります!ここの雰囲気が結構好きなんです。仕事の合間に展示室に行って、スッキリと気持ちを入れ替えることもあります。今の学芸員の仕事が本当に好きだから、デスクで座って仕事をするのも好きです。休み中、早く来て仕事がしたい!と思うときもありますよ!
(第4回へ続く)
information
会場名:國學院大學博物館
展覧会名:企画展「大嘗祭」
会期:2019.11.01〜12.15
料金:無料
展覧会詳細ページ:https://obikake.com/exhibition/5500/
Writer | 齋藤 久嗣
脱サラして満3年が経過。現在は主夫業とアート系のブロガー&ライターとして活動中。
首都圏を中心にほぼ毎日どこかの展覧会に出没中。日本美術が特に好みです!(Twitter:@karub_imalive)
Editor | 三輪 穂乃香
OBIKAKE編集部所属。