NULL 大浮世絵展―歌麿、写楽、北斎、広重、国芳 夢の競演/展覧会レポート | OBIKAKE(おびかけ)

展覧会レポート

大浮世絵展
―歌麿、写楽、北斎、広重、国芳 夢の競演/展覧会レポート

2019.11.27

質・量、ネームバリューともに、トップクラス

 

東京都江戸東京博物館で「大浮世絵展―歌麿、写楽、北斎、広重、国芳 夢の競演」が開催中です。

 

 

国内外にファンが多い「浮世絵」。その中でも、特に愛されている浮世絵師たちは、「歌麿、写楽、北斎、広重、国芳」の5人です。

 

一度は見聞きしたことがある、この5人の名前ですが、「歌麿はどんな絵が得意だったの?」と聞かれて「美人画が得意」とスラスラ言える人は、少ないのでは?

 

本展では、浮世絵師界トップ5の得意ジャンルに絞った作品を紹介。浮世絵に興味があるけど、どれを見たらいいかわからない。そういう方にオススメの展覧会です。

 

美人画といえば、この人!

 

喜多川歌麿(きたがわ うたまろ/1753頃〜1806)は、美人画の代名詞的な浮世絵師です。

 

特に、人物の上半身を大きく描写した、「大首絵(おおくびえ)」と呼ばれる作品で評判を得ました。

 

画面いっぱいに写された表情は、恋に心をときめかせたり、アンニュイな表情をしていたりなど、繊細な心理描写が描かれているのが特徴的です。

 

(左から)《難波屋おきた》寛政5年(1793)頃 ミネアポリス美術館蔵/《高島おひさ》寛政5年(1793)頃 東京都江戸東京博物館蔵

 

江戸の美女を多く描いた歌麿が、特に気に入っていた女性たちがこちら。お茶屋の娘・おきたと、せんべい屋の娘・おひさです。

 

歌麿の美人画に取り上げられてから、おきたとおひさの美貌はますます評判となり、2人の働く店は、見物客で溢れたといいます。

 

ところで、浮世絵は現代でいうところ「印刷物」です。大量生産が可能だったため、江戸庶民にも手が出しやすい値段で買えました。お値段なんと「そば1杯分」とも!

 

 

 

謎の多い絵師・写楽

 

(左から)《3代目大谷鬼次の江戸兵衛》寛政6年(1794)5月 シカゴ美術館蔵/《3代目大谷鬼次の江戸兵衛》寛政6年(1794)5月 ベルギー王立美術歴史博物館蔵

 

 

本作を描いた東洲斎写楽(とうしゅうさい しゃらく/生没年不詳)は、浮世絵界に異例な登場を果たした人物です。

 

寛政6年(1794)5月の江戸三座の芝居に取材した役者絵は、28枚という量の多さと、黒雲母摺(くろきらずり)という豪華な形式で、破格な扱いでした。

 

*黒雲母摺:人物画の背景に雲母(うんも)の粉末を用いたもの。近づいて見ると、キラキラしているのが特徴です。

 

写楽の目立つその画風は、当時好みが大きく別れましたが、斬新な作品は浮世絵界に刺激をあたえました。

 

第2章 東洲斎写楽 展示風景

 

しかし、写楽の活動期はあまりに短く、作品も少なめ。本展では、一挙公開される貴重な機会です。

 

 

「画狂老人・北斎」とも

 

世界・日本ともにもっとも有名な浮世絵師とも呼べる葛飾北斎(かつしか ほくさい/1760〜1849)。

 

 

30回におよぶ改名や90回以上の転居などの風変わりな面が目立つ北斎ですが、浮世絵のすべてのジャンルにおいて第一線で描き続けた巨人です。

 

(左から)《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》天保2〜4年(1831〜33)頃 ミネアポリス美術館蔵/《冨嶽三十六景 凱風快晴》天保2〜4年(1831〜33)頃 アダチ伝統木版画技術保存財団蔵

 

《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》は、「神奈川沖」とあるとおり、江戸湾(現・東京湾)から富士山を望んだ図です。一方では、その対岸にあたる上総国(現・千葉県)の木更津側から見た景色をいう説もあります。

 

日本国内でも大変な評価を得ている本作は、当時の海外作家たちにも影響を与えました。

 

日本各地の名所を描いた人といえば

 

宿場町や名所をていねいに取材し、その様子をリリカルに描いたこちらの絵師は、歌川広重(うたがわひろしげ/1797-1858)です。

 

 

(左から)《東海道五捨三次之内 日本橋 朝之景》天保5〜7年(1834〜36)頃 中外産業株式会社蔵 原安三郎コレクション/《東海道五捨三次之内 箱根 湖水図》天保5〜7年(1834〜36)頃 東京都江戸東京博物館蔵

 

「東海道五捨三次(とうかいどう ごじゅうさんつぎ)」は、広重の出世作。53の宿場に江戸日本橋と京都の三条大橋の2図を加えた全55枚からなる大作です。

 

写真左の作品は、東海道の起点である日本橋を描いたもの。

 

雲と薄い色彩で表した繊細な朝焼けと、手前に木戸を開くというダイタンな構図が、長い旅路の幕開けを告げているようです。

 

 

(左から)《月に雁》天保(1830〜44)頃 ミネアポリス美術館蔵/《月二捨八景之内 葉ごしの月》天保3〜6年(1832〜35)ミネアポリス美術館蔵

 

広重は、花や鳥を描いた「花鳥画」の名手としても知られています。なかでも、鳥を描く作品には秀作が多いです。

 

《月に雁》は、切手収集家のレアアイテムのひとつ。その原画が江戸博で見られますよ!

 

 

ユーモアな浮世絵を描きました

 

歌川国芳(うたがわ くによし/1797-1861)は、豊かな発想で次々とアイディアを出し続け、幕末の浮世絵界を活性化させた絵師です。

 

(左から)《本朝水滸伝剛勇八百人一個 渡辺源二綱》天保7年(1836)頃/《本朝水滸伝豪傑八百人一個 天眼礒兵衛》天保2年(1831)頃

 

本作は、国芳の名前が江戸市中に広がるキッカケとなった作品。水滸伝(すいこでん)に登場する英雄たちが、力強いポーズとエネルギッシュな構図で描かれています。

《相馬の古内裏》江戸時代/弘化2-3年(1845-46)、大判錦絵3枚続 展示期間:2019年12月17日〜2020年1月19日(東京会場)

 

3枚続の「ワイドスクリーン」に描かれたこちらの作品は、国芳の代表作です。

 

暗闇からヌッと出てくるガイコツは、なんとも不気味。本来のストーリーでは、数百体のガイコツが出てくるところを、巨大なガイコツを描いた自由な発想には、アッパレです。

 

 

全5章に分けて浮世絵界のスターを紹介する本展。各絵師の展覧会が5つ一堂に会したような、夢の空間です。

 

絵師によって、描き方も違うのでじっくりと観察してみるのも、オススメです。

 

 

 

information

会場名:東京都江戸東京博物館 1階 特別展示室

展覧会名:大浮世絵展―歌麿、写楽、北斎、広重、国芳 夢の競演

会期:2019.11.19〜2020.01.19
※会期中展示替えあり
開館時間:9:30~17:30、土曜日は19:30まで(入館は閉館の30分前まで)

休館日:月曜日(ただし、1/13は開館)、年末年始(12/28〜1/1)

料金:一般 1,400円 大学・専門学校生 1,120円、65歳以上・高校生・中学生・小学生 700円

展覧会詳細ページ:https://obikake.com/exhibition/4982/

展覧会公式ホームページ:https://dai-ukiyoe.jp/

 

OBIKAKE gifts

本展の招待券を5組10名様にプレゼント!

〆切は12月11日23:59まで!

応募フォーム

Editor  静居 絵里菜

【編集後記】この冬オススメの展覧会のひとつです!浮世絵スターが一堂に会するなんて、豪華ですよ〜

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