展覧会レポート

企画展 〈対〉で見る絵画

2020.1.31

つなげて、比べて楽しむ絵画!

「対」で見てみると新しい発見があります

 

根津美術館で、「企画展 〈対〉で見る絵画」が開催中です。

 

展示風景

 

二幅対(ふくつい)や三幅対など複数からなる掛け軸や、左隻(させき)と右隻(うせき)で一双(いっそう)となる屏風など、〈対〉で成り立つ作品が数多くある東洋絵画。

 

*幅対:二幅または三幅で一つの作品となる掛け軸のこと。

 

本展では、各幅・各隻相互の連続性や独立性、対比のおもしろさなどの組み合わせを楽しむ、「〈対〉で見る絵画」が紹介されています。

 

朝と夜のモチーフの対比がユニーク!

 

東洋絵画に描かれているモチーフの対比を楽しんでみましょう!こちらの作品は、朝を告げる鳥で有名なニワトリと、夜行性のフクロウを描いた作品です。

 

《梟鶏図》狩野山雪筆 2幅 紙本墨画淡彩 日本・江戸時代 17世紀 根津美術館蔵

 

朝と夜の対比だけではなく、松と竹、曲線と斜線、また鳥たちの目もとぼけた目、険しい目などと左右の幅で、構図やモチーフにさまざまな対比をしかけて、対の関係が強調されていてユニークです!

 

日本人が大好きな季節と花を「対」で表現!

 

四季折々の花々を楽しめる日本。4つある季節の中でも、気候がいい春と秋が好きな人も多いのでは?

 

本作は、奈良県の桜で有名な「吉野山」と、六歌仙の1人、在原業平(ありわらのなりひら)の「ちはやぶる〜」で有名な和歌に登場する「龍田川」を描いたもの。

 

《吉野龍田図屏風》6曲1双 日本・江戸時代 17世紀 根津美術館蔵

 

左隻では紅葉した楓が、右隻では、画面いっぱいに枝を伸ばした満開の桜が描かれています。春と秋、吉野と龍田という異なる季節と奈良の名所が対比されています。

 

よく見ると、それぞれの枝に短冊が。この短冊には、桜・紅葉を詠んだ和歌が書かれています。足を止めて、ぜひ細部まで見てみてください。

 

真ん中の人が一番エライ?

 

《太公望花鳥図》楊月筆 3幅 紙本墨画 日本・室町時代 15世紀 根津美術館蔵

 

真ん中に描かれた釣り人は、古代中国の軍師として有名な呂尚(りょしょう)という人物。太公望(たいこうぼう)という名前で親しまれています。

 

ほとけや仙人、伝説上の人物を中心にし、左右に花や鳥などを配置する描き方は、日本独特の形式で、室町時代以降に流行しました。

 

 

今回ご紹介した作品以外にも、絵画と同じように対のモチーフが表された、刀の鐔(つば)や目貫(めぬき)などの刀装金具(とうそうきんぐ)も展示されています。

 

屏風などは普段、1つの作品として見ている人が多いかと思います。それらを左右でわけて鑑賞すると、新しい発見がありました!

 

 

information

会場名:根津美術館

展覧会名:企画展 〈対〉で見る絵画

会期:2020.01.09〜02.11

開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日

料金:一般1,100円、学生800円、中学生以下無料

展覧会詳細ページ:https://obikake.com/exhibition/6957/

公式サイト:http://www.nezu-muse.or.jp/

 

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Editor  静居 絵里菜

【編集後記】「対」ということに注目すると、屏風や掛け軸もいつもと違って見えました。日本美術入門のみなさんにオススメの展覧会です!

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