名画や映画の登場人物あるいは歴史上の人物に自らが扮するセルフポートレイト作品で知られる森村泰昌は、巧みなメイクや衣装で、時代や人種、性別を超えて様々な人物に自らが成り代わり、制作を通して原作やその背景に独自の解釈を加えてきました。
本展では、自らが脚本を手がけ自演する映像作品「エゴオブスクラ」と、この映像を用いて会期中開催される作家自身によるレクチャーパフォーマンスを通じて、作家は日本近現代史、文化史に言及します。戦前の教えが否定され日本人に広がった「空虚」、そこは西洋の価値観で埋められていきました。1951年、大阪に生まれた森村は、その時代の日本で教育を受けた個人的経験から、やがて「真理や価値や思想というものは(中略)いくらでも自由に着替えることができるのだ。」(映像作品「エゴオブスクラ」より)という発想を導きます。森村は耳慣れない言葉「エゴオブスクラ(Ego Obscura)」に「闇に包まれた曖昧な自我」という意味を込めました。愛情のみでは語りつくせない母国への複雑な感情をにじませながら、森村は「さまよえるニッポンの私」とは何かを模索します。
森村泰昌:エゴオブスクラ東京2020―さまよえるニッポンの私
2020.01.25~2020.04.12
開催終了
11:00~17:00
※水曜のみ20:00まで開館
※入館は閉館時刻の30分前まで
月曜(2月24日は開館)、2月25日[火]
一般/1,100円、大高生/700円、小中生/500円
(原美術館メンバーは無料、学期中の土曜日は小中高生の入館無料、20名以上の団体は1人100円引)
原美術館
〒140-0001
東京都品川区北品川 4-7-25
03-3445-0651
JR「品川駅」高輪口より徒歩15分 / タクシー5分 / 都営バス「反96」系統「御殿山」停留所下車、徒歩3分 / 京急線「北品川駅」より徒歩8分 / 駐車場あり(6台)。
原美術館